隠居志願のつぶやき2017

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...... 2018年12月28日 の日記 ......
■ 師走に読んだ本   [ NO. 2018122801-1 ]
 バイト仕事も終わった。正月飾りも買った。となると今年の本のベストテンをつぶやく前に、今月読んだ本をやっておかないとなるまい。割と遊びが忙しくあまり読めなかったなぁ。
 久保田勇夫著「役人道入門」。財務省のスキャンダルに明け暮れた今年。久保田氏は66年大蔵省に入省し関税局長から国土庁事務次官を務め、西日本シティ銀行の頭取などを歴任した。16年前に出た本だが、緊急復刊された。福田淳一くんのセクハラなど俺らが大蔵省の記者クラブにいた頃は考えらないことだが、先輩たちは泣いているだろう。この本地味だがなかなかいい本だ。
 ウッドハウス著「ジーヴスの事件簿 才智縦横の巻」。美智子皇后が天皇退位のあと時間ができるので、「推理小説も読みたい、ジーヴスも二、三冊待機している」とコメント。で、どんなもんかと手をだした。俺はこの一冊でいいな。美智子さんは英語の原文で読んでいるのかもな。
 堤未果著「日本が売られる」。水道事業の民営化とか漁業への会社参入とかとてつもないことが起きている。ちょっとまずいんでないの。沢木耕太郎著「作家との遭遇」。沢木が実際に出会ったり作品を読んだりした23人の作家のエピソードを綴った。俺が贔屓の吉行淳之介に酒場からタクシーで送ってもらった際に、数年の間に二度も「君はいくつかね。ほう、今が一番いいだろう」と言われた話が面白かった。
 斎藤哲也著「試験に出る哲学」。大学入試センター試験の倫理の問題を手掛かりにソクラテスからマルクス、サルトルまで古今の哲学者の思想を紹介。俺、何にも哲学のことを知らずにここまで生きてきたんだと実感した。だって20問の例題のなかで正答はマルクスに関する1問のみなんだもん。
 遠藤展子監修「藤沢周平 人はどう生きるか」。周平さんの幾多の本に様々な人が賛辞を贈っている。没後20年。これから周平さんの本を読む人にはもってこいの解説書。池永陽著「下町やぶさか診療所」。書き下ろし文庫。池永さんはあまり知られていないが「珈琲屋の人々」や時代物「雲を斬る」などがあり、手練れの作家。この”やぶさか”は実に設定がよく、あっと言う間に読了。ことしのベストテンに入れちゃおうかなと思えるいいお話だった。

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