大晦日の紅白歌合戦はここ数年の中では一番よかったと思う。大トリに出てきたサザンの桑田くんが特別ゲストの北島三郎やユーミンと掛け合い、お祭りを盛り上げた。名前からどこの坊さんかと思った米津玄師が徳島の美術館で歌った「Lemon」もよかった。あの美術館、新年になって入館者が急増しているのだとか。どこにも物見高い人間はいるのだ。 もう歌番組を視聴する習慣はないから、「米津」も「あいみょん」というのも紅白で初めて聴いた。隠居志願には新しい歌声を知るいい機会なのだ。4時間余の番組に付き合ったのは紅白をチラチラ見ながらやることがあったためである。3着のパジャマのズボンのゴム紐がかったるくなってきたので、紅白をバックにゴム紐の交換にトライしたのだ。 ゴム紐はその昔、”別荘”から出てきたこわいお兄さんが、おうちを訪れ玄関先で「これ、買ってくれないか」とすごむシーンが目に浮かぶ。ガキのころ俺んちにも現れたようなおぼろげな記憶がある。 今はゴム紐は百円ショップで手に入る。大晦日、1a幅、長さ4bのゴム紐とプラスチック製の「ゴム紐通し」を西国マイン3階の「百均」で求め、こたつに入って紅組5人目の天童よしみのあたりから、ゴム紐の交換に着手した。 まず、開け口からかったるくなったゴム紐の一部を引き出して鋏で切る。弾力のなくなったゴム紐をズリズリと引っ張り出す。パジャマのズボンはバカボンのパパでもずり落ちてしまいそうだ。そして開け口からゴム紐を穴に通した「紐通し」を3aずつ押し込んでゆく。 1着目。あと10aのところでゴム紐が「紐通し」からはずれてしまった。これは一筋縄ではいかぬ。繊細な注意が必要だ。一度失敗したら二度と同じ過ちは繰り返さない。長年生きてきて初体験の作業なので、3着のズボンのゴム紐を直すのに2時間近くかかった。 次にゴム紐がよれるころには新しいパジャマを買うだろうから、この紐通し作業、しばらくやることはないだろうが、ズリ落ちなくなったパジャマに非常な達成感を味わったのである。 × × × × 今週の拙宅の花は濃いピンクと淡いピンクのバラの大輪です。名前はひかえるのを忘れました。 |
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