社会部から83年に経済部に移って最初に担当したのが通常残業省と言われた通商産業省(現経産省)だった。経済の分からない俺には省内に火星語が飛び交っている感じがした。通産を5カ月でクビになり、大蔵省(現財務省)に配置換え。冥王星語の感じだったなぁ。 そこで主に持ったのが税金を扱う主税局。まだ消費税が導入される前で、「直間比率の是正」を掲げ、1兆円の増減税が大きなテーマだった。それで税金には少しは詳しくなった。ふつうの俸給生活者は給料から所得税・住民税が源泉徴収され、年末調整が行われて税額が確定するから、税金について悩むことはないが、当時の大蔵省担当は代々引き継がれていたアルバイト原稿があり、雑所得が20万円を超えるから、毎年、確定申告する必要があった。 アルバイト原稿の原稿料ははなから10%の税金が差し引かれていたが、原稿を書くのに必要な経費を収入から差し引くことが認められており、中には書籍代、交通費などを足し上げて収入の7割を必要経費として申告する猛者もいた。俺の経験則では添付書類がなくとも収入の3割は必要経費が認められていたと思う。 今はトホホの年金の他、校閲のアルバイト収入、読書感想文添削の講師料などの収入があり、確定申告をしなくてはならない。 所得税は収入に課せられるのではなく、必要経費を差し引いた所得を基に算定される。サラリーマンの場合、必要経費に相当する「給与所得控除」というのがあり、けっこうな金額だ。収入が多ければ多いほどこの「給与所得控除」は大きくなり、算定式が定められている。 老後を守る年金だが、ここにもしっかり課税されることになっている。年金以外に収入がある場合、年金収入から120万円を差し引いた額(年金額が400万円未満のケース)が年金の所得額として算出されるのだ。実はこの120万円の控除のことを忘れており、今年の確定申告では多額の追徴を課せられそうと頭を抱えていた。 ところが昨日、何か減額措置があったはずと調べ120万円の控除に気付いた。あす立川税務署に確定申告に行く予定だが、事前の俺の計算だと、数万円の追徴で済むはずなのだが……。 |
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