隠居志願のつぶやき2017

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...... 2019年03月22日 の日記 ......
■ 「みをつくし料理帖」   [ NO. 2019032201-1 ]
 経団連会長も務めた平岩外四元東電社長の言葉に「ほんとうの豊かさとは、欲しいと思った時に好きなだけ本が買えること」というのがあった。蔵書2万冊を誇る平岩氏の家は本の重みで床が傾いたほど。2、3度インタビューしたことがあるのだが、「赤川次郎以外は何でも読みます」と言われ、藤沢周平さんの本を薦められた思い出がある。
 古い知り合いのライター兼女釣り師のチマキちゃんは「家が狭いので新刊本は買えず、読むのは文庫になってから」とこぼしていたが、俺には評判を聞いて文庫で5巻まで読んだが、あまりに面白いので6巻目から単行本で読むようになった本がある。北方謙三の「水滸伝」(全19巻)で、続編の「楊令伝」(全15巻)、「岳飛伝」(全17巻)も単行本が出るたびに、跳びついて読んだ。
 今、北方の「大水滸伝」の時のように、むさぼるように読んでいるのが高田郁(たかだ・かおる)の「みをつくし料理帖」シリーズだ。2年ほど前、NHKが黒木華主演で8回シリーズで放送。料理屋の主人、小日向文世、ご寮さん役の安田成美の好演もあって、なかなか楽しめた。テレビが良かったので原作の方はちょっと遠慮していたのだが、この前、高田さんの「三昧聖」(今でいうならエンバーマー)を描いた「出世花」を次女に薦められ、その文章の端正さに、これは本物と思い、「みをつくし料理帖」の1作目「八朔の雪」を手にした。
 テレビでの黒木華の好演、幼馴染で遊女になった野江(あさひ太夫)との下りも思い出し、1日1冊のペースで読みふけり、10巻あるのだが、もう5巻目の「小夜しぐれ」まできた。「みをつくし料理帖」は、ハルキ文庫の書き下ろし出版だから、単行本と違い懐もそう痛まない。
 こういう本にぶち当たるのは幸せというしかない。高田郁。絶対のお薦めです。

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