隠居志願のつぶやき2017

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...... 2019年03月25日 の日記 ......
■ たけのこ医者   [ NO. 2019032501-1 ]
 30年ほど前、誰かの講演で「今後の高齢化社会を考えると、歯医者は食いはぐれることはない」という話を聞き、なるほどそうかと思った。そして、年を重ね、今、自分の歯ががたがたになってくると、全くだと思わざるをえない。
 歯医者というのは力がいる商売で、腕力が亡くなってくると引退せざるをえないものらしい。大昔に通っていたY紙記者の父親がやっていた銀座の歯医者は、力が出なくなり親不知が抜けなくなったと店をたたんだ。そこで紹介された孫を通わせているという門前仲町のY歯科にはずいぶん通った。
 宇都宮勤務となり、何かの時は新幹線で通いますと言ったが、そうもいかず、差し歯がとれた時は先輩に聞いてU歯科の世話になった。ここも上手だったと思う。2年前餃子の都から戻って、Y歯科を尋ねると娘さんに代替わりしていた。歯医者と銀行は家に近い方がいい。
 それで西国の近くにいい歯医者はないかと思案し、こういうのは近所の評判を聞くのが一番と、行きつけのクリーニング屋のおばちゃんにどの歯医者がいいかと尋ねたら「Yさんは高いというし、なかでA歯科は評判がいいわねぇ」。西国駅周辺には知っているだけで6軒の歯医者があるのだが、こういうのは間違いない。
 それで、1年ほど前からA歯科に通い出し、今は新しい入れ歯をつくってもらっている最中なのだが、ここは診察台が6つもあり、A女性院長の指示を受けながら女性たちが台に取り付いている。みんな大きなマスクをしているため、美形かどうかはよく分からないが、みんなよく訓練されているという思いがある。口の中に入るものを細工するわけだから、少しの違和感もゆるがせにはできない。
 先日、A歯科での治療を終えた帰り道、西国駅近いビルに「たけのこ歯科」という看板を見つけ笑ってしまった。かつて親しんだ落語に次のような一節があったからだ。「えーっ、あそこの医者は止めた方がいい。ありゃ、タケノコだ。まだ藪にもならねぇ」。今は藪もタケノコもあまり目にしなくなったから、そんな名前を付けたのかなぁ。
 

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