校閲バイトのある週三日は西国分寺から1時間ちょっと電車に乗り出社していると宇都宮の知人に話したら、「そんなに……、よく通えるね」と言われた。初任地、福島でも秋田でも列車に1時間乗って通うケースはほとんどなく、そんな場合は下宿である。首都圏は1時間通勤は当たり前なのだが、満員電車に揺られて行くのが、ちと辛くなってきた。 2年前宇都宮から上京して1年ほどは、中央線で新宿まで行き、そこから地下鉄大江戸線で汐留までのルートで通っていたが、新宿で乗客が大幅に降り、座れることがあることが分かり、今は終点の東京、もしくは神田まで行き、そこから山手線もしくは京浜東北線で「サラリーマンサンクチュアリ」の新橋へのルートに変更した。 帰りは地下鉄の汐留から大江戸線で新宿まで出て、3杯飲むとケーキが食べられるコーヒーで一休みし、今は混む中央線を避け総武線で三鷹へ。そこから中央線に乗り換えて5つ目の西国に戻るということにしている。これだと、帰りの新宿‐三鷹間で十分本が読めるのである。 さらに三鷹でいったん下車するという方法もある。2年前まで吉祥寺南口にあったラーメンの店「よしきゅう」が三鷹駅北口に1年ほど前引っ越したのだ。この「よしきゅう」は炒りにんにく味のスープに特徴があり、お値段も手頃でうまい。トッピングの厚焼きチャーシューは絶品である。開店は1979年で、吉祥寺の店はいつも繁盛していた。 引っ越してしばらくはどこへ行ったのか分からなかったが、去年の冬、三鷹に開店したのを知り、また通いだした。俺は冬限定の「あんもやし麺」というのが贔屓で、この冬〜春シーズンは10杯近く食った。食い物にそうこだわりのない俺だが、吉祥寺店の閉店には大きな喪失感を感じていたのだ。「よしきゅう」はきょうび珍しい喫煙可の店だからかもな。 バイト先からいただく交通費は実費精算なのだが、俺には自前で購入した「西国分寺‐新宿」の6カ月定期という強い味方があるので、途中下車が苦もなくできるのである。きょうもバイトの後の福島会帰りに三鷹下車。「ド・トール」が閉店していてどうしたものかと思ったが、夜10時までは空いているコーヒーのおいしい店(もちろん喫煙可)を見つけたのである。 |
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