2年前までいた栃木の新聞社では、将来会社を背負うと思われた編集のMくん、販売のMくんに声を掛け、3カ月に一度「中トロの会」と銘打った飲み会を開いていた。この2人は10年以上前、竹橋の新聞社に修行のため出向していた経験があり、共通の話題もある。偉くなった時にいろいろな店を知っておくのも悪くないはずと宇都宮のグルメが推奨する店をピックアップし、2人の会費は3000両、残りは当時お金持ちだった俺が持つという形でやっていた。 接待に使えそうなフルコースの和食の店、日本酒飲み放題の店、鳥料理の新店、パスタがメーンのイタリアンなど、いろいろ出かけたなぁ。その編集の方のMくんが4月に東京支社長に着任したので、「中トロの会@東京」をやろうと連絡を取り、昨夜サラリーマンサンクチュアリの新橋・蒸気機関車前で待ち合わせた。 会場は今のバイト先が入居しているビルの最上42階。眺めのよい和食の店である。3月にアポ取り名人の美女と初めて訪れ、雰囲気、眺めの割りに懐にやさしいことがわかり、大支社長の会食場所リストに加えてもらおうと案内した。東京支社ではいろんな付き合いをしなければならないMくん。「ここはいい店ですねぇ。使わせてもらいます」。 栃木の話はほとんどせず、俺の歯の状態とか活字世界の低迷ぶりなどに話が弾んだ。まだ55歳になったばかりのMくんは「歯間ブラシを使うとか、歯は大事にしなければいけませんね」。俺の週3日の大手PR会社での校閲のアルバイトについて「年を取ったら『教育と教養』が大事。行くところがあるのは刺激になっていいんだよ」と話したら、”教育と教養”は初耳のフレーズだったみたいで、「それ、使わせてもらいます。○○さんは若くなりましたよね」と嬉しいことを言ってくれる。 販売のMくんも4月にまた昇進したみたいだから、東京での会議に出てくることもあるだろう。3人揃った会をやりたいもんだ。そうそう、支払いの段になって「俺、年金生活だから割ろうな」と言ったら「私、バリバリの現役ですよ。ここは持たせてください」とMくん。老いては年下に従えの言葉を思い出し、すんなりゴチになったのであります。 |
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