10日につぶやいた4月に読んだ本の中で、文章の波長が合う池永陽の「漂流家族」を挙げ、ほんとは「少年時代」を読みたかったが、書店で見つからなかったというようなことを書いた。おとといだったか、自宅の本棚をのぞいていて、2011年に刊行された「漂流家族」の単行本がリビングの本棚にあるのを見つけ、愕然とした。 俺はだいたい購入した本は全部読むたちで、リビングの本棚にある本は、それなりによかったと思った本である。だから、「漂流家族」は発売当初に読んだと思われる。しかし、4月に文庫本を手にした時は「どこかで読んだ内容」とは全く思わなかった。長い読書人生でこんなことはなかった。ヤキが回ったか……。単行本の「漂流家族」を見つけた時はかなりショックだった。 何故本棚をチェックしたかというと、どこかにあるはずの小川洋子著「博士の愛した数式」を手にしたかったからだ。この本は記憶が80分でなくなってしまう博士と家政婦、その10歳になる男の子、ルートくんの交流を描いた小説で、04年に第1回の本屋大賞を受賞している。ことしの16回目の瀬尾まいこ著「そして、バトンは渡された」に至る本屋大賞の隆盛の礎となった本といってもよい。 阪神時代の江夏のファンの博士。江夏の背番号28が完全数(28の約数、1、2、4、7、14を全部足すと28になる)というのが印象に残る小説だった。 いま、ウチには大小取り混ぜて10の本棚があり、その本棚のほとんどに2列に本を並べてあるため、奥の列に置いた場合、背表紙が見えない。かつては自宅にある本の位置はだいたい覚えていたものだが、何度かの引っ越しでどこに何の本があるのか分からなくなってしまった。 2列の本を全部引っぺがすのも時間がかかる。で、”博士”を探すのを諦め、本屋さんで新たに新潮文庫を買ってきた。なんで”博士”かというと、某団体に頼まれてもう十年もやっている読書感想文添削のアルバイトで、6月の課題図書にするためだ。課題図書にするには、うろ覚えでもいいんだけど、やっぱりきっちり読んでおかないとまずいでしょ。 しかし、”博士”の単行本はどこに行ったのかな。本棚の整理に真剣に取り掛かろうかな。 × × × × × あすは「よこしん会」のゴルフのため、「明日休診」です。暑くなりそう。気をつけないと。 |
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