隠居志願のつぶやき2017

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...... 2019年06月21日 の日記 ......
■ 29年前のイタリア   [ NO. 2019062101-1 ]
 あれはもう29年前になるのか。日本のジェトロに当たるイタリアの経済団体の招きで各社の経済部記者と1週間イタリアに取材に出かけたことがあった。日本から大手企業の幹部が30人ほどイタリアに渡ったビジネス会合。「原稿にはならないと思いますが、記者会見と昼食・夕食には付き合ってください」と言われ、これがいずれも三ツ星級のレストランなのだった。
 ローマ4泊、シチリア1泊。海外取材では一番長く滞在した国である。その時、イタリア語の通訳をしたのが、芸大のデザイン科を出て、26歳の時イタリアに渡り、結婚。お子さんを2人なした長身の晴美さんだった。金融絡みの話が難しくてうまく訳せないのを「いいよ、いいよ。誰も原稿にはしないから」ととりなした覚えがある。
 イタリア取材から2年後か、彼女が帰国し、郷里の群馬に戻った時、東京で一度お目にかかり土産に「UNO」というオードトワレをいただいた。これはシトラスの香りが素敵で、それから俺はオードトワレを愛用することになった。以来、ずっと年賀状のやり取りを続けてきた。晴美さんの賀状は毎年、自分がデザインした変ったもので、透明なカードだったり、いただくのがいつも楽しみだった。
 春先、「緑内障になりかけています。母を看取ったら亭主のいるイタリアで余生を過ごすことになるので、今のうちに知っている人に会っておきたい」というメールをいただいた。イタリア語の翻訳の仕事の合間をみては、京都・奈良などいろいろな名所を尋ねて歩いているみたい。
 で、本日、谷中・根津などを巡るために上京した晴美さんと上野・西郷さんの銅像前で待ち合わせした。30年近くたっているが長身の彼女はすぐ分かった。食事とお茶で3時間、家族や仕事のことなどぶっ通しで話した。イタリアに行った当時は、拙宅の中で大きな波が立ち始めていたころで、「奥様にレースの下着を買って帰れば喜ばれる。サイズは私を基準にして選べばいい」ってなシーンもあったなぁ。「残念ながら土産の効果もなく1年後に×が付きました」というような話もしたのでした。
     ×     ×     ×     ×     ×
 今週の拙宅の花は白と濃いピンクのバラと、淵が紫の白い「セレブターンブルー」というリシアンサスです。 

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