ゴルファーなら一度はやってみたいのがホールインワンだ。ショートホールでティーグラウンドから打った球がピンに吸い込まれる奴。パー3を1で上がるわけだから、イーグル扱いだが、ミドルホールの2打目がカップインしたイーグルとは喜びが違うらしい。らしいとつぶやいたのは、バーディーが関の山の、と言ってもこれまで数えるくらいしかない俺とは、無縁の代物だからだ。 竹橋の会社関係者でもう20年近くやっている5組20人のコンペの優勝者のみに出場が許されている(と言っても6月で68回を数えた大会だから、ほとんどが有資格者)真のチャンピオン大会というのが8月上旬の平日、横浜の名門コースで行われる。このコースの支配人と大学同窓であることから、同期のむねちゃんにいつもセッティングをお願いしている。 そのむねちゃんからきのう電話が掛かってきて「出場は11人でいいよね。19番ホールの宴会は一人税込2000円で頼んだ」。「サンキュー。出場者の登録はむねちゃんの方でやってくれるよね。去年優勝した長老のAさんが欠場するので、おととし優勝した俺が優勝カップをかついで行く」。それで話は終わりかと思ったがなかなか電話を切らない。 「朝、みんなに渡したいモノがあるんだ」「そんなモノ、19番ホールでいいだろう」「いや、暑さ避けのタオルで、スタートの前にみんなに渡したいんだ。実は6月にホールインワンをやったので、その記念品」「何!!20ヤードくらいの子ども用のゴルフ場か?」「いや、静岡の方のゴルフ場で120ヤードはあった」。こういうのは誰かに言いたいんだよね。ホールインワンを達成した場合、それまで一緒にプレーした人間に記念品を贈るという慣わしがある。数十万円の出費になるので、ホールインワン保険というのもあるくらいだ。 これまで俺は、アイアンカバーとかホールインワン記念と銘打ったゴルフボール3ケとかボールマーカーをいただいたことがある。このコンペは9月に69回大会が予定されているのだが、「そこまで待っていると、涼しくなっちゃうから」とのことである。むねちゃん、うれしくてしょうがないんだな。 いつもドライバーショットがフェアウエーを捉えると、シャネルズの「ランナウエイ」をもじって「♪フェアウエイ!♪」と歌って顰蹙を買っているユニークな彼だが、ついにやったか、ホールインワン。真チャンの最終搭乗案内を出すときに、彼の快挙を特記しないとな。 |
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