俺が住んでいるマンションがある地域の町内会では毎年9月の土日に「子どもまつり」と称し、お神輿が練り歩いたり模擬店を出したりする(らしい)。この祭りを仕切る町内会の実行委員会に3週間ほど前、マンション管理組合の役員として出てきたのだが、1世帯300両の寄付だけしていれば済むというわけにはいかず、300世帯が入っている大所帯であることから、祭りのある14、15の土日に受付や綿菓子販売にそれぞれ8人の人間を出してほしいとのことであった。 S理事長は「うちのマンション住民は高齢化が目立ち、子どももそれほどいない。管理組合の理事は12人しかいない。そんなに人を出さねばならないのか」と粘ったが「他の地区からはあまり動員を期待できない。例年のようにお願いします」と押し切られた。 おとといの土曜日は、9月1日の「防災の日」に、要支援の住民のチェックについて消防班長や理事がどう動いたらいいかなどを知らせるビラを各戸配布することになっていた。で、この日、臨時理事会を開いて、子どもまつりへの体制を決めてしまおうということになった。 9月14日の土曜日は俺が幹事長をしている竹橋の会社関係者による5組のゴルフコンペがすでに入っていて、俺はこの日は身動きができない。臨時理事会では手慣れた2年目の若手理事が黒板に、受付(2人)、総務(3人)、綿菓子(4人)、14日午前、午後、15日午前、午後と表を書き出した。理事長は総務を土日の2日間通しで担当する。 こういうのは機先を制するのが正しい。で、「みんな都合のよい日時に立候補する形でどうか?俺、作ったことはないけど、15日は午前午後、綿菓子をやります」と真っ先に立候補した。すると2年目の若手理事が「土曜日の午前午後総務をやります」。女性副理事長が「初日の受付と日曜の綿菓子をやります」。するとあまり管理組合活動に熱心でない理事も「じゃぁ、ぼくはここを」と手が挙がり、20分ほどで両日の担当者8人ずつが決まった。 金を集めるより人を集める方が大変なのである。裏方の人出が足りないようなら、長女も駆り出そうかと思っていただけに、みんなが手を挙げてくれて、ひと安心だった。 |
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