隠居志願のつぶやき2017

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...... 2019年08月22日 の日記 ......
■ 変わらぬ電話の声   [ NO. 2019082201-1 ]
 駆け出しの福島支局時代、ようやく肩で風を切って表を歩けるようになった2年目の45年前、毎晩のように珈琲を飲みに寄った伝説のスナックがあった。店の名を「コルシカ」という。美人ママで知られたひとみちゃんとの会話が楽しく、1杯250円の珈琲で4時間も粘ったこともあった。
 そのひとみちゃんが姿を消したのはそれから3年後か。客とのいざこざがあったようで、ぷっつり消息を絶った。共通の友人を介して連絡が取れ、再会したのは20年後である。以来、福島に帰るたびに彼女の車で猪苗代湖や土湯温泉、枝垂れ桜の名所に連れていってもらった。一人娘の結婚式にも呼ばれ、「結婚の三欠如」をテーマにしたスピーチもさせてもらった。
 そのひとみちゃんが誕生日であることしのバレンタインデーに目まいで倒れた。ひと月後、娘さんから「母に代わってメールしてます。重い脳梗塞で、ケイタイもいじれなくなっています。施設に入らざるをえない状態」という辛いメールが来た。彼女は独り暮らしで、すっとダスキン(?)の仕事をしてきたが、車の運転ができなくなっては、身動きが取れない。その身が案じられたが、どうにもならないのだった。
 おとといの晩、スナックを手伝っていたこともある義妹のみちよちゃんと連絡が取れた。「かなり回復してきたけど、自力では歩けないし、左耳も聞こえないの。娘が月1回、千葉から来るけど、施設で寂しがっている。○○ちゃん(俺のこと)の話もよく電話でするのよ」。なんだ、電話に出られるのか!
 で、きのうの昼過ぎ、ひとみちゃんのケイタイに連絡した。いつものゆったりした優しい声が返ってきた。電話だと、自力歩行ができないことや左耳が聞こえないことなど、わからない。これまでと同じ、優しいひとみちゃんなのだった。聞けば、まだ退職届けも出していないのだとか。で、「ずっと働き詰めで生きてきたんだから、これからは周りに甘えていいんだよ」と話した。
 思いのほか元気そうで、冗談にも敏感に反応していた。施設の住所を聞いたので、これからは頻繁にお便りを出そうと、昨夜は筆ペンを執ったのである。
     ×     ×     ×     ×     ×
 明日は広告のエースらとプライベートゴルフのため、「明日休診」です。少しは涼しいのではと期待しているのですが。

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