マンション管理組合の営繕担当理事というのは、まったく次から次へと対応すべき事態が降ってくる。管理事務所に常駐する住宅会社派遣のおばさんでは、可否の判断はできないから、ゴルフ場にいてもバイト先にいてもすぐ電話が掛かってくる。俺がつかまらないと(相棒のアンちゃんはフルタイムの会社員)、事務所に顔を出した75歳の行動派理事長がコキ使われることになる。 火曜日、宇都宮にゴルフに行っていた時の電話は、病気療養中の人間がいるのに、リフォーム工事がうるさい。せめて昼食時には工事しないように昼休み時間を貼り出し文書に明記させてもらえないかという、前理事夫人からの電話があった、というもの。 日曜祝日は騒音の出る工事はしないとか、工事は朝8時半から夕方5時半までなどの記載項目はあるが、昼休み時間は騒音を出さないという約束を業者にさせたことはないのだ。工事にストップはかけられない。おたがい周りに気遣ってうまくやってと言うしかないのではないか。 おとといバイト先に掛かってきた電話は、業者が転売のためリフォームに入っている部屋で、下請けがめちゃくちゃな仕事をして、ペンキの入ったペットボトルをそのままにして置いている、配管を巻いていたカバーをはがし巻き戻していない、所定のインターフォンを壊し新しいのを設置した、表札がない、という住民からのクレームがあった、どうしましょうというもの。 年季がきているインターフォンはしようがないとしても、工事のやりっ放しというのはよくない。今後のこともあるので、保有している業者にお灸をすえねばと、業者と連絡を取ることにしている。管理組合が毅然とした姿勢を示しておかないと、住民が好き勝手なことをしかねない。 まったくエントランスに堂々と自動二輪を置いたり、通路に週1で高級車を置く人もいるのだ。築37年。ちょうど代替わりで売却とか徘徊老人出没とか、我が300戸のマンションにも、時代の波が押し寄せているのだ。
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