マンション管理組合での俺の担当は営繕である。長期修繕計画から、やれ大雨で樋が詰まって水がバシャバシャだ、やれ排水管清掃で管に亀裂が見つかったなどの事象に対応せねばならない。 先週は10月に実施が予定されているJコムの配線引き込み工事に振り回された。この工事は昨年からの引き継ぎ案件で、テレビ視聴環境改善のため、高層1号棟の屋上にあるアンテナから8棟ある低層棟に、一筆書きのような形でつながっている回線を、3・4号棟は南側の、5・6号棟は西側の、7・8・9・10号棟は北側から道路を越えて回線を引き込むというもの。 これまでは1号棟付近で故障があると、全棟に被害が波及する難点があった。Jコムがようやく重い腰を上げ(費用はJコム持ち)、工事日程を連絡してきたため、先週の火曜日に各棟の入り口の計32か所にある掲示板に「工事のお知らせ」を貼り出した。ところが土曜日午前9時からのうるさ方住民と理事との懇談会の席上、「外から回線を引っ張るのは美観が損なわれる」「Jコムに入っていないとBSが見られなくなるのではないか」「共有物の工事なのだから、説明会は開いてもらわないと」との意見が噴出した。 このためJコム側からの説明会は開かざるをえないと判断した。で、土曜日の午後イチでJコム担当者を捕まえ、今週29日午後1時から説明会を開いたうえで、工事に着手するかどうかを決めることになった。このため、おとといの日曜日は説明会開催のお知らせを300戸全部に配布することにし、A4の一枚紙を作成して、事務所でカラーコピーし、理事長と手分けして各戸にポスティングした。 けさ雨樋からの水バシャバシャの件で、低層棟に出張ると、説明会開催を声高に主張していた理事経験者とバッタリ。「俺は説明会には出ないが、道路の上空の回線を車が引っ掛けでもした場合、どこが費用負担するのかなどの問題がいろいろある」。どうも根っから工事はダメという訳でもなさそうだったが、当初説明会は開かないとした手続き上の瑕疵を突かれたかっこう。 やることの中身はともかく、手順が大事ということを大いに学んだのでした。
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