ついこの間まで暑かったと思うのだが、このところの朝晩の寒さはどうだ。今年は台風が来て大雨が降ったりしたから、秋の感じがどこかにいってしまった。ということで先月読んだ本。 高田郁著「あい 永遠に在り」。「みをつくし料理帖」「あきない世傳」などの時代小説の波長があう高田さんの近代モノ。達者な筆である。矢野誠一著「昭和も遠くなりにけり」。永六輔、小沢昭一、入船亭扇橋らが加わって1969年から毎月1回開かれていた「東京やなぎ句会」。矢野もその一員で多士済々のメンバーの思い出などを淡々と綴る。いま残っている創立のころからのメンバーは矢野と人間国宝の柳家小三治のみとか。 金成隆一著「ルポ・トランプ王国2」。朝日新聞ニューヨーク特派員時代にラストベルトに通い、トランプの当選がありうると早くから指摘していた著者が、再度ラストベルトに通いトランプ政権への住民の意識を探る。三浦しをん著「のっけから失礼します」。しをんさんが雑誌に連載していたエッセーをまとめた。なかなかユニークなのだ。 ヤマザキマリ著「ヴィオラかあさん」。映画化もされた漫画「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキさんの母は、破天荒な生き方をしているヴィオラ奏者。世界を股にかけた活躍をしているヤマザキさんのルーツがよくわかる。増本康平著「老いと記憶」。加齢により記憶力は悪くなると思われているが、それだけではないとポジティブにも捉えられる部分についても書かれていて、年寄りにはいい本。 北方謙三著「チンギス紀五 絶影」。「大水滸伝」のあと北方が取り組んでいるチンギスハンの物語。5冊目となりだんだん調子が出てきた。国枝栄著「覚悟の競馬論」。名馬アーモンドアイの調教師、国枝氏がこれからの競馬のあり方を提言している。競馬には長年親しんでいるのだが、知らないことが多かった。 |
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