先日のバイト休みの日は来春の年賀状の宛先を確認する作業を行った。いつかは発注するのだからと先月のうちに近所の郵便局に賀状印刷を依頼し、先週2020の賀状がキラキラの小カレンダーのおまけとともに拙宅に届いた。枚数は昨年の280枚から20枚減らした260枚である。 長年賀状で付き合いを保つ記者稼業をしていたから、メール全盛の時代とはいえ、年賀状の習慣を止めるわけにはいかない。とはいえ、相手が亡くなってしまったケースや昨春の賀状に「勝手ながら明年からは賀状は差し控えます」との年配者の記載がかなり散見されたので、枚数を減らしたのである。 作業は手元にあるワープロ(!)で打ち出した五十音順の住所録に基づいて行う。中公新書の「老いの味わい」3部作で作家、黒井千次氏が述べておられたように、もう住所録を作り直すつもりはないから、十数枚のリストの一番上の「あ」行の紙はよれてホチキスで何度も止め直してある。 この住所録には約400人の住所、氏名、電話番号が打ち出され、亡くなった人、道ですれ違ってももう判別できないと思われる人のところは、赤や青のサインペンで横棒が引かれている。その数100人ちょっと。その他、ページの余白にはこの住所録を作った十数年前以降に知り合った人、栃木時代に世話になった人、ゴルフコンペや同期会の際に記念写真を送る必要がある人らの住所氏名が手書きで並んでいる。 これらの”新参者”にも目を配りながら、あ〜わ行までのリストを京大式カードに書き出していく。横長の京大式カードは幅広の10行のラインが引かれているので、数が数えやすいのだ。賀状を出す相手を書き出す作業が終わったところで、数を数えたら258人で、注文枚数とほぼ同じで、一人納得した。 我々の年代になると喪中の人も多い。すでに福島時代、県政汚職事件で名を上げた元朝日のYくんからは91歳の母が亡くなり喪中欠礼の知らせが届いた。経験則からリストアップした258人中、15人はいるとみている。それで余った賀状は、戻り年賀用に使うつもりだが、さて、隠居志願にそんな賀状が来るのだろうか……。 |
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