勝負あり。こりゃ、シンゾーくんの奢りだな。一人の人間が長く権力の座にあるのはやっぱりよくないと思わせたのが、政府主催の「桜を見る会」の中止である。なんてったって自分の後援者を850人も招待するなんて、ふつうの人間の感覚では理解できないが、ダンナもカミサンもああいう芸能人らも呼ぶ派手な場って好きなんだろう。 組閣間もない改造内閣で、経産相、法相のクビを挿げ替え、「桜を見る会」も中止。俺はこれで安倍四選などというアホなムードが完全に消えることを喜びたいね。 「桜を見る会」の中止問題は具体的でイメージが湧くから、大問題だった「モリカケ問題」よりも分かりやすい。だから、後援会の人間のために公金が使われたことへの怒りがつのる。国の行事だから予算措置をきちんとしていなければならない(19年は1760万円)のに、実際に掛かった費用は5510万円。19年の参加者は1万8200人で、14年の1万3700人から33%も増えた。こんなことは通常は許されないことだが、なぜか内閣府はなあなあでそのまま支出している。総理のご機嫌を損ねてはということなのだろう。 さすがにヤバいと思ったのか、政府は来年度予算の概算要求では従来想定の2倍の1万6000人の参加を見込み、5700万円を計上した。この点を最初にこの問題を追及した共産党議員が目ざとく見つけたのかもしれない。役人は権力者に弱いからなぁ。 テレビに大写しになっているアベ事務所の「桜を見る会」への出席を募るペーパーはまるで後援会の東京見学ツアーみたい。宿泊先ホテルでの夕食会(参加費5000円)というのも、その辺はアベ事務所が表面上うまく処理しているのだろうが、しぶとく掘れば公選法の問題も出てくるかもな。 来春の「桜を見る会」は中止になったが、野党は追及の矛先を収める気はない。「モリカケ」に比べると庶民の怒りは大きいと思うね。きのうのシンゾーくんは「官房長官の会見通り、中止にしました」と一言発するのみで、記者団の前を通り過ぎた。何の申し開きもできないのだろう。政治家が国民の前に出られなくなったら、それで終わりなのだ。
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