夕刊サラリーマンページのデスクをしていた四半世紀前「先週の小使い帳」という不思議なコラムを作った。大手企業に勤めるサラリーマン・ウーマンに1週間、何をどこでいくらで買ったというメモを原稿料1万円で披露してもらうもの。 出勤前に会社近くの駅でハンバーガーは買うが飲み物は買わない独身者を「彼は会社に着いてから備え付けの珈琲を飲む」と推理したり、休日に地下鉄の行きだけの電車賃しか記録しない女性について「帰りは彼に車で送ってもらった」と読んだり、金の流れを追えば、その人の行動がわかると、最後まで目を通してしまう人気コラムだった。 こんなコラムを始めたからではないが、シンプルシングルライフをもう30年近く続けているため、俺はずっと家計簿を付けている。今年も来年用の高橋の「かんたん家計簿」を求め、付録に付いている再来年のカレンダーや結婚記念日の名称などが載っている1枚紙を見ていて、あれっと思った。 長寿の祝いを記した「賀寿」の項に「緑寿(ろくじゅ)66歳」というのがあったためだ。喜寿(数えで77歳)とか盤寿(同81歳)白寿(同99歳)というのは知っているが、緑寿なんて初耳だ。手元の辞書を引いたがそんな言葉は載っていない。 で、ググってみると、2002年に日本百貨店協会が提唱した祝いで、数えの66歳は前期高齢者入りの歳だが、まだ介護の必要はなく新たな社会活動への参加を促すスタートラインに立つ年。21世紀は「環境の世紀」といわれることから「緑」をイメージし、66歳なので緑緑寿となるところを簡略にした、とある。 しかし、俺が66になった時、こんなのどこにも見なかった。まぁ定着しなかったんだろう。で、俺の感想は、おそらく百協の競馬好きがいたずらで考えたのではというもの。 競馬は1枠から8枠まであり、遠くからでも馬の見分けが付くように騎手のかぶる帽子の色が1枠白、2枠黒、3枠赤、4枠青、5枠黄、6枠緑、7枠橙、8枠桃色と定められている。で、ゾロ目の6−6で緑。大昔、名馬テンポイントとグリーングラスで決まった大レースの馬券が6−6だったような覚えがある。 |
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