隠居志願のつぶやき2017

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...... 2019年12月12日 の日記 ......
■ 本のプレゼント   [ NO. 2019121201-1 ]
 昔、プレゼントに最適なものは花束と何かで読んだことがある。自分ではなかなか買わないうえ、花はいつか朽ちる。すると自然に処分されることになり、後を引かない(ドライフラワーにするなら別だが)。これがアクセサリーなど後に残るモノだと、くれた人との関わりがなくなってからも身に付けるのは、ちとはばかられる。相手とけんか別れしたようなケースではなおさらだろう。まぁ数百万円もするダイヤモンドの指輪なんかは別だろうけど……。
 親しい人に本を贈るサンジョルディの日(4月23日)が定着しなかったのは、他人に本をプレゼントするのが難しいからに他ならないと思っている。自分が面白いと思っても、相手がそう思うかは分からない。よほど相手の趣味・性癖を熟知していないと選ぶのは難しい。相手が同性の後輩のような場合は無理やり押し付けることもできるが、異性の場合、ありゃぁ理解不可能な生き物だからなぁ。
 四半世紀前、ちょっと体調を崩して病後の足慣らしに3カ月間、某百貨店伊勢丹の広報室に通っていたことがあった。仲がよかったT広報部長が「現場復帰するまでウチに通ってくればいい」とありがたい提案をしてくれた。そこでは記者用の机と電話が自由に使えた。
 T部長の配下には30人ほどの部員がおり、毎月1回お誕生会というのがあり、お菓子にジュースで乾杯。T部長がポケットマネーで誕生日を迎えた部員に文庫本を1冊プレゼントしていた。
 それで3カ月後に職復復帰する直前、新聞担当の女性広報部員5人に別々の新書を贈ることにした。3カ月も通っていればそれぞれの性格は少しは分かる。椎名誠の岩波新書「活字のサーカス」なんかを選んだ記憶がある。しばらくして元気者の女性から「あれ、バッチリでした」と言われ、うれしかった思い出がある。
 この前、かなり年下の美女の誕生日を祝わねばならないことになり、花にしようかとも思ったが、いずれ朽ちるのもなぁと思い直し、読書感想文の課題図書で好評だった「博士の愛した数式」(小川洋子著)「楽園のカンヴァス」(原田マハ著)「風が強く吹いている」(三浦しをん著)の文庫本3冊を差し上げることにした。いずれも名著だから、3冊のうちどれかはスイート・スポットに当たるはずという魂胆である。
 美女には「すてきなあなたに」(暮らしの手帖社刊)というバッチリのタイトルの本があったのだが、それをプレゼントするには齢を重ね過ぎた。

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