西国駅南口から歩いて3分、住宅地の一角に雛にはまれな「B」というケーキ屋さんがある。まだうら若く、愛嬌のあるお姉さんが一人で切り盛りしている。開店して5年。彼女のオリジナルのケーキにファンが増えている。 甘いものには目がない俺だが、南口といっても真南に住んでいるため、南西の方向にある「B」を知ったのは昨年夏。タウン誌にかき氷特集があって、「B」で出すちょっと変わったかき氷が出ていて、探索に出かけたのだ。 店主のゆかちゃんは話好きで「タウン誌に取り上げてもらうのにもお金がかかるんですよ」とのことだった。俺は頭にキンと来るかき氷は苦手なので、珈琲とケーキをボックス席が2つの小さな店内でいただいたのだが、あまり甘くないケーキが好もしかった。 今週はこの「B」で極秘デートを重ねた。1人目はマンション管理組合で一緒に副理事長をやっているいずみちゃん。女子大生を頭に3人のお子さんのいるママ。明るい性格で事務処理能力があり、2、3月の総会準備委員会の議事録を一人でパソコンに打ち込んでいる。今、5月の理事改選に向け蛇蝎のごとく嫌われている”暴走老人”が理事に立候補してしまい、その対応に頭を悩ませているのだが、暴走老人と同じ棟(棟は10ある)から推薦できる人はいないかと情報交換した。 「ケーキは甘すぎずおいしい」とのことである。ご馳走したら「娘の分を買っていこう」とケーキを2つお買い上げ。ママたちのネットワークはすごいから、また利用してもらえそうだし、お友達にも紹介してくれるだろう。 もう一人は5月に俺が管理組合の理事長になったときに、副理事長をやってもらおうと思っている洋子さん。ことし一浪が決まった男の子のママで学童保育の手伝いをしている方。関西出身の洋子さんも頭は切れるし、駐車場管理の仕事もしっかりしている。 5月には理事12人のうち半数の6人が残り、新たに6人が理事に選ばれる運びとなっている。ケーキを挟んで誰にどんな役割を担ってもらうかの意見交換。おおむね意見の一致をみた。竹橋時代は地下のあんみつ屋で密談というのをよくやったもんだが、「B」のケーキはおいしいから、ケーキ屋デートというのも悪くない。つぶれては欲しくないいい店だから、せいぜい宣伝部長をやろうと思っているのだ。 |
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