まだ、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は発令されていないというのに、きのうの夜からのテレビは宣言がもう発出されたかのようだ。その中で俺がうなったのは、小池百合子都知事の午後9時半からの会見である。「大切な人を守るため、一丸となって国難を乗り越えたい」と歌舞伎役者のようなメリとハリの効いた話し方で、20分ほど何も見ずに1つは、2つは、3つ目はと頭に入りやすい話し方。まさに立て板に水、横板に脂を思わせる。 シンゾーくんが首相官邸のぶら下がりで、メモに目を落としながら、会見しているのに比べるとどっちが総理だか分からない。きょうの昼のテレビを見ていても、小池は憎らしいことにプリント柄の手作りマスク姿である。このあたりなかなか手が込んでいる。その直後に軽症者を収容する東横インの映像が流れれば、都はよくやっているというように目に映る。 朝ドラの再放送を中止してNHKが放送した昼の国会審議でのシンゾーくんのしゃべりは、官僚が作成した答弁資料を慎重に読み上げるだけなのでいまいちすっと頭に入らない。こういう危機の時のトップは毅然とした物言いが何より欠かせないのになぁ。まぁシンゾーくんは宣言と同時に108兆円の緊急経済対策を示したかったのだろうが、国民は仕事はどうなる、医療はどうなると、そっちの不安に頭が行っている(そうでない人ももちろんいる)からなぁ。 俺なんか昼の国会審議を見ていて西村康稔担当相が、理髪店、美容院は営業というのに、ほっとしたわけで、収入が大幅減少した世帯に一世帯当たり30万円給付というのだって、住民税が非課税になる水準に落ち込んだケースと言ったって、実際の運用は難しいぜ。 国会審議では5月の連休明けの宣言解除の要件はと問われて、シンゾーくんは「専門家の意見をよく聞いて」ってなことしか言えなかったけど、欧米のような都市封鎖はないにしても、ひと月でコロナ禍が収束するとは常識からしたらとても考えられないので、我々は長期戦を覚悟しなければいかんのだ。 |
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