隠居志願のつぶやき2017

[PREV] [NEXT]
...... 2020年04月21日 の日記 ......
■ 浩ちゃんの快挙   [ NO. 2020042101-1 ]
 駆け出し福島支局の初年兵だった47年前、世論調査で雪の積もった福島市北部の飯坂町に行き、ご母堂に「もうすぐ役所から帰ってくるはずだから、上がって炬燵にでも入って待ってなさい」と言われ、みかんをいただいていたら、戻ってきたのが市役所勤務の浩ちゃんだった。それがナイスガイとの初めての出会いである。
 それから街おこしのイベントも一緒にやり、竹橋の会社が主催していた「郷土提言賞」にも応募してもらって「リンゴの里造り」で県優秀賞を取った。79年に俺が福島を去る時には「将来は市長になれ!」と言った覚えがある。以後、帰福するたびに何度彼の家に泊めてもらったことか。
 その浩ちゃんから先日「都市計画家 堀切善次郎伝」という139ページの自費出版が届いた。昨年の福島県文学賞エッセー・ノンフィクション部門で最高賞を取った作品を本にしたものだ。市の枢要部長を歴任した浩ちゃんは、郷土飯坂町が生んだ元東京市長、堀切善次郎(1884〜1979)の都市づくりの功績を広く知ってもらおうと、70歳のおととし、堀切の伝記の執筆を思い立ち、1年目の18年は落選したが、構想を膨らませてトライした2年目の昨年には最高賞をゲットした。
 当初から原稿を見てほしいと頼まれ、400字詰め50枚ほどの作品を託され「へぇ、こんな人がいたんだ」と思ったが、1年目は飯坂町に残る堀切邸保存のあたりが、ちょっともたついている印象を持った。2年目は関東大震災などでの堀切の活躍や神奈川県知事としての業績までカバーされ、ずいぶんよくなったと思った。分量的に本にするには難しいかなと思っていたが、浩ちゃんの熱意で登場人物の写真・経歴、図版がちりばめられ、年表入りの立派な出版となった。写真集めは相当苦労したはずだ。
 残念ながらコロナのため、今週末に予定されていた出版記念会はお流れとなった。昨夜きっちり最後まで読んだが、あとがきにある謝辞に俺の名前も出てくる。校正は懸命にやったが、校閲まではしなかったよ。70歳を過ぎても郷土の先達を世にしろしめしたいという浩ちゃんの情熱に、ノホホンとしてはいられないぞと、尻を叩かれる思いだったのである。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: