「ゴールデンウイークは郷里に帰らずオンライン帰省を」と言うシンゾーくんをテレビで見て「しゃらくせえ。オンライン授業をしている学校だってそう多くないのに、田舎の家にどれだけ設備が整っているのか、わかっているのか」と悪態をついていた俺。なにせ、ウチのパソコンはウイルスチェックがされていないから、校閲の仕事は事実上無理と言い張り、8週間の在宅勤務で、仕事ほとんどなしの日々を過ごしていた。 そこに大学バドミントン部の同期から、日曜日にオンライン飲み会をやろうと誘いがあった。そんなもん、どうやってやるんじゃと思っていたら、仕事でもオンライン会議をやっている副将だったZくんから「26日午後4時、パソコンを立ち上げスカイプにつながるようにせよ」と指令メールが来た。ウチのパソコン担当の長女に「スカイプってどうやんの?」と尋ねたら「私もよく分からない。ウインドウズ10だから、カメラはここにあるはずと、ノートパソコンを開け、ディスプレーの上部中央に3ミリほどの丸い穴があるのを示した。 と、Zくんから「スカイプ名を設定せよ」の指令あり。それで、テキトーな名前を記入したら「メールアドレスがお前のスカイプ名だよ」と再びメールが来た。どうやらZくんのサークルに参加するというところをクリックすれば、オンライン会議に参加できるみたい。で、きのうの4時になり、クリックすると、パソコン画面に川崎のZくん、神戸に住むEくん、三軒茶屋のYくんの顔がアップされた。下戸のZくんはアイスコーヒー、Eくんはワイン、Yくんはビール缶を手にしている。俺はこの前のゴルフコンペでブービー賞の賞品にもらったボトルでミネラルウオーターだ。 便利な世の中になったもんだ。それぞれが近況などをぼそぼそしゃべった。Zくんは一番の金持ちで藤沢に住むOくんとスマホでしゃべっている。どうも、Oくんの機材が不調で会議に加われない様子なのだ。雑談は小一時間で終了。「次はもっと仲間を増やそう。各自なにか面白い話を考えておくように」とZくん。と、富山に住むHくんから「ごめん。外出していて参加できなかった」とメールが来た。 次の日曜日午後3時から何人の顔が拝めるのか。おじさんばかりというのが難だが、これはこれで面白い世界なのだった。Zくんによれば、10人は参加できるというから、コロナ疲れが目立つ昨今、オンラインの飲み会はお勧めなのかもな。 |
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