つぶやかなくてよいことにしている祝日のきのう(かつての天皇誕生日、今は昭和の日)はむちゃくちゃにテレビを見た。トータルで10時間近く。こんなにテレビにかじりついていたのはあさま山荘事件以来か。仕事に行くことも遊びに行くこともない年寄りは、みんなこんなテレビが頼りの日々を過ごしているのかなぁ。コロナコロナのワイドショーを見ると疲れるので、NHKのBSプレミアムが主である。 きのうは俺の朝の生命線である西国駅北口の「すきや」でしっかり朝メシを食べ、「ド・トール」で「毎日」の朝刊を読み切って、10時半過ぎに自宅に戻り、なんの気なしにBSをつけたら、小説「蜜蜂と遠雷」のモデルとなった浜松国際ピアノ音楽コンクールの二次予選、三次予選、ファイナリスト6人によるピアノ演奏をやっていた。番組は中村紘子の秘蔵っ子の男の子(18)をドキュメンタリータッチで追ったもの。残念ながらこの子は2位となり、トルコ出身の男の子が優勝した。 俺はクラシックには縁のない人間だが、ファイナリストの演奏は素晴らしいもののように思えた。オーケストラをバックにピアノ協奏曲を弾くのは大変だろうなと思った。直木賞と本屋大賞を同時に取った恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」。記念に発売された2枚組CDを取り出してラフマニノフを掛けてみたが、テレビで聞いた演奏の方が迫力があった。映像付きの音の方が迫るはずだ。 13時からは3時間の映画「ゴッドファーザー」。俺はこの名作を見ていないのだった。マーロン・ブランド扮するドンが重々しく、その後を継ぐアル・パシーノが初々しい。銃で人を殺す場面がかなり出てくるのだが、邦画で人が斬られるよりリアルである。コロナ休みになってから、水曜13時からのBSプレミアムの名画は「チャップリンの殺人狂時代」「ダーティー・ハリー」などかなり見ているのだが、昼日中、名画を見るのはちょっと疲れる。かつての淀川長治の名画劇場のように夜9時くらいからやってくれるといいのだが。 「ゴッドファーザー」を食い入るように見ていたため、ちょっとくたびれ、遅い昼メシに出て、戻って口直しに「美の壺」の美術館特集。香川県の直島にある地中に作られた美術館(安藤忠雄設計)に行きたくなった。夜は20時から歴史家、磯田道史さん司会の「英雄たちの選択」。菅原道真がテーマ。怨霊となった道真が天神様として全国1万2000カ所で祭られているというのが面白かった。 21時からは「刑事コロンボ」を75分間。コロンボのセリフの間がいいんだよね。コロンボもいま、ずっと見ている。脚本もよくできている。終わって口直しに「ブループラネット」の完全版。イルカが小魚の群れに突っ込んで狩りをするシーンなど、よく撮ったものだ。これだけ見るとさすがにくたびれて、寝床の読書、沢木耕太郎の「旅のつばくろ」は15分でおしまいにした。 |
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