緊急事態宣言が2カ月目に入ったコロナ禍だが、テレビ番組制作にも大きな影響を与えている。なにしろ「密」がダメ。となるとドラマ・バラエティーは制作できなくなる。 昨年のNHKの大河ドラマ「いだてん」はどこかなじめず、全く見なかったが、今年の「麒麟が来る」は斎藤道三を演じる本木雅弘の演技が重厚(きのう討ち死にした)で逃さなかったが、6月7日の21話でストックが切れるため、途中休止となるらしい。道三の娘で信長の妻となる帰蝶役だった沢尻エリカが薬物事件で逮捕されたため、「麒麟」は2週延期されており、ご難続きだ。朝ドラの「エール」も同様に途中休止とか。 耳にうるさい民放の番組は原則視聴しないことにしており、国営放送の「ブラタモリ」とか「鶴瓶の家族に乾杯」などを好んで見ているのだが、これらも次第に過去に評判の良かった回を再放送するようになっている。先週見た「チコちゃんに叱られる」や「日本人のお名前」も2月以前に収録したものの再放送だった。 「チコちゃん」は放送している最中はなるほど、と思っても、テーマを忘れてしまうことが多いので再放送でもいいが、「ブラタモリ」とか「鶴瓶」を2回見るのはなぁ。で、昨夜のNHKは民放のプロデューサーとか売れっ子の脚本家とかSNSの人気者ら6人を集め、コロナ下でのテレビのあり方をテーマに「あたらしいテレビ 徹底トーク」という番組をやっていた。 完全リモートによる6分割画面での討論番組は、初めて見る人気ユーチューバーの女の子もいたりして、なかなか面白かった。再放送は出演者全員の承諾が必要とかで、なかなか面倒なこともあるようだが、「再放送の時に制作者の意図を副音声で聞きたい」という意見にはなるほどと思った。「逃げ恥」や「アンナチュラル」で知られる脚本家の野木亜紀子さんが「視聴者にSNSで感想を言い合う余裕を与えないほど画面に熱中させたい」と話したのが、印象に残った。今の若い人はテレビを見ながら、SNSで共感し合うなんてことをやっているらしい。 日テレの伝説のプロデューサー、土屋敏男氏が「いろいろあってもテレビがやんなきゃなんないのは、今なんだよ」というのも、印象的だった。コロナの制約下で、番組作りもおのずと変わって行くのだろうな。対面での勝負でずっと仕事してきた俺なんかには及びもつかない世界だ。 |
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