隠居志願のつぶやき2017

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...... 2020年05月14日 の日記 ......
■ シシリアの思い出   [ NO. 2020051401-1 ]
 きのうはNHKのBSで「ゴッドファーザーパート3」を見た。午後1時から3時間。俺はマフィアの物語というのがなんとなく好きになれず、映画館でこの映画を見たことがなかったのだが、先々週BSで見たマーロン・ブランド主演の1(72年)、先週見たアル・パチーノ主演の2(74年)に続き、重厚な物語で、こういう名作はやはり封切りの時に見ておかなくてはと反省した。
 パート2から16年後の90年に公開されたパート3。主役のマイケル・コルレオーネを演ずるアル・パチーノ、その妻だったがマフィアに嫌気が差し、離れてしまうケイを演ずるダイアン・キートンも前作と同様の配役で、年輪を感じさせる演技がなかなか沁みた。
 特に、マフィアを離れてオペラ歌手になった長男アンソニーの公演の舞台が、イタリアのシシリア島の首都パレルモにあるマッシモ劇場。オペラの劇場ではヨーロッパで3番目に大きいという現存の劇場が、映画でも実際に使われていたのには、知らなかったとうなってしまった。
 なんと俺は、映画が公開された90年10月にシシリアを遊びのような取材で訪れていたのだ。ゴッドファーザーの撮影の舞台となったことを知っておれば、あの1週間のイタリア取材(シシリアには1泊した)が、もっと中身の濃いものになっていたのに。アラブの影響を受けたというパレルモの寺院の写真は手元にあるのだが、紹介はされたかもしれないが、マッシモ劇場を見た記憶はない。
 経済団体の随行取材だったが、「マフィアの本場だが、その筋にちゃんと話はつけてあるので、危険なことはない」と主催者から言われた記憶がある。シシリアの真っ青な海とオレンジ色の明るい屋根の色はいまでもまざまざと思い出すことができる。
 映画ではマッシモ劇場のそそり立つようなゴンドラ席(5層からなる)で殺し屋に銃で狙われるマイケル、城塞のような劇場のファサードで、マイケルの最愛の娘メアリー(コッポラ監督の娘、ソフィア・コッポラが演じた)が銃撃され殺されてしまうシーンに見応えがあった。父の故郷に錦を飾ったマイケルは、跡目を兄の子、ヴィンセント(アンディ・ガルシアが演ずる)に譲り、ひっそりと暮らし、静かに亡くなる。
 マフィアの大立者たちを演じる役者がいかにもといった顔つき、体つきををしており(イタリアではそんな顔のおじさんたちによく出会った)、洋画の底の深さを感じる映画だった。しかし、3時間の映画(パート3までの合計は10時間)は隠居志願の身にはちと、辛かったね。

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