隠居志願のつぶやき2017

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...... 2020年06月09日 の日記 ......
■ 「マディソン郡の橋」   [ NO. 2020060901-1 ]
 「マディソン郡の橋」ときいて、あぁ、あの小説、映画と想起する年配者も多いだろう。1992年にロバート・ウォーラ―という作家が発表した恋物語で、世界で5000万部という大ベストセラーとなり、95年にはクリント・イーストウッド監督で映画化された。
 舞台は60年代の米アイオワ州マディソン。ここにある屋根付き橋の写真を撮るためにやってきたナショナルジオグラフィックの写真家、ロバート・キンケイドが農家の主婦フランチェスカ・ジョンソンと恋に落ちる物語。亭主が2人の子どもと牛の品評会に出かけた4日間の留守に、ふとキンケイドにめぐり合ったフランチェスカは自由人の彼にどんどん惹かれていくが、ピックアップトラックに乗って一緒にここを出ようというキンケイドに、最後は付いては行かないという選択をするせつないお話。
 フランチェスカからもらった「F」のマークの付いたペンダントをキンケイドは死ぬまで身に着けていて、彼の死後「4日間」という写真集とともに年老いたフランチェスカのもとに贈られてくる。そして、フランチェスカも亡くなり屋根付き橋「ローズマンブリッジ」から、キンケイドと同様、散骨されるという結末だ。
 92年末、この邦訳を手にした俺は知り合いに「いいよ、いいよ」と薦めまくった覚えがある。そして、スティーブン・スピルバーグが映画化の権利を取ったという記事をどこかで目にし、93年暮れに当時、デスクをしていた夕刊サラリーマンページで「勝手にキャスティング」という記事を企画したのだった。
 主役のキンケイドとフランチェスカを誰に演じさせたらいいかという内容で、映画好きの数人の方に配役を考えてもらった。記事を実際に書いたのは先輩記者。俺のプランはキンケイドにサム・シェパード、フランチェスカにメリル・ストリープだった。イタリア生まれのヒロインに髪の黒いスーザン・サランドンなんていうアイデアも出ていた。先輩記者は自分は洋画に詳しくないからと、蟹江敬三と樋口可南子の組み合わせだった。
 この「勝手にキャスティング」という企画には、うまくいったと一人悦に入っていた覚えがある。その2年後に公開された映画では、イーストウッド監督自身がキンケイドを演じ、メリル・ストリープがフランチェスカを演じた。きのうNHKのBSでこの映画を放映し、四半世紀ぶりに見たが、そんな筋だったっけと思うシーンもあったが、メリル・ストリープは揺れる女ごころを演じて、ぴったりの名演だったなぁ。

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