だいたい寝る前は本を読んでいる。その時は枕元にあるCDで音楽を流している。1年ほど前まではトミー・フラナガンなどのジャズの名盤を掛けていることが多かったが、この1年はずっと中島みゆきだ。なんで中島みゆきなのか。 かつて親しんだ女性ボーカルは、学生時代がもう亡くなってしまった浅川マキ。社会に出てからは加藤登紀子だった。いずれもアルト系。俺より1個下、52年生まれの中島みゆきが「アザミ嬢のララバイ」でデビューしたのが75年だが、その当時はまったく興味がなかった。秋田にいた95〜98年によく行っていたスナックでカラオケに興じていた時、ママの娘が「ひとり上手」をよく歌っていた記憶はある。 自分で中島みゆきをよく聴くようになったのは、NHKの「プロジェクトX」で主題歌「地上の星」が流れるようになってからか。あのちょっと突き放すような歌いっぷりが好もしかったのか。初登場した紅白歌合戦で、黒部のトンネルの中からこの「地上の星」を歌ったのもよく覚えている。 「SONGS」かなにかで、彼女が年に1回やっているライブの映像を流し「銀の龍の背に乗って」とか「宙(そら)船」を初めて聞いて、こりゃ、いいなと思い、昨年ブックオフで集中的の中島みゆきのCDを集めた。 よく聴くのは「ライブリクエスト―歌旅・緑会・一会―」という12曲収録のCDで、武田鉄矢の「金八先生」で流れたという「世情」や「時代」「糸」などが入っている。一番のお気に入りは「もう桟橋に灯りは点らない」というあまり知られていない曲だ。バックバンドの音がとても澄んでいていていいのだ。 しかし、集めたCDの中には「宙船」が入っていない。それで16年に出たという「21世紀ベストセレクション 前途」というCDを先々週入手した。この「宙船」はTOKIOに提供した楽曲とのことだが、これより「常夜灯」という曲がいい。 それにしても中島みゆきはもう68歳。お化けだね。70年代には「わかれうた」、80年代には「悪女」、90年代には「空と君のあいだに」、2000年代には「地上の星」がオリコンシングルチャート1位を獲得している。こんな息の長いアーティストは他にいない。20世紀のうちはあまり聴いたことがなかったから、今になってよく聴くのかなぁ。 |
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