隠居志願のつぶやき2017

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...... 2020年06月25日 の日記 ......
■ 最後の仕事   [ NO. 2020062501-1 ]
 3カ月ぶりに出勤した校閲のバイト先には驚いた。フロアにほとんど社員がいないのである。先々週から出勤比率を20%から50%に引き上げると聞いていたが、俺の属するフロア南側(150人の席がある)を見渡しても10人いるかいないか。これでよく業務が回るなぁと思ったが、みんな在宅で仕事をちゃんとしているらしい。在宅勤務とは名ばかりで何もやっていなかった俺が、みんなもそんなもんだとは思ってはいけないらしい。
 特別に出勤してきた同僚の絶世の美女(52)に「クビにならなくてよかったね」と声を掛けたら「おかげさまで」とのこと。彼女はこの間、自宅でパソコン画面で校閲作業をもくもくとこなしてきたのだ。「自宅ではプリントアウトできないから、大変なんです」。そうだろうなぁ。午前中に届くといっていた面倒な仕事は未着。
 で、35階フロアからB2までエレベーターで降りて、タバコを吸いに行く。なんと喫煙スペースには「当分閉鎖」の掲示があるではないか。携帯灰皿は持って出なかったから外で隠れて吸うわけにはいかない。と、隣のビルの地下に大きな喫煙ルームがあったのを思い出した。往復に15分かかった。
 昼飯によく行っていたお茶漬け屋さんに足を運んだら、3年前バイトを始めたときに同じ部にいた経理のおばさんがいた。「今月末で雇い止めになるんです。お世話になりました」と言うと「えーっ、そんなこともあるの?業績が振るわないからね」とのこと。昼飯から戻ると面倒な仕事が待っていた。
 予想通りそれほどの分量ではなかった。で、絶世の美女に「俺が4分の3をやるから、4分の1はお願い」。2時間半かかって直しが必要な個所をたんだ1カ所発見して、3年間の校閲のお仕事を終えた。今度は携帯灰皿を持って外に出ようとしたら、早々と帰宅(?)する隣の部長さんとばったり。「1−3月はまあまあだったけど、4−6月の売り上げは前年の6〜7割」とのこと。まぁ、これではクビを切られるのも仕方ないわな。
 で、机の周りの私物、扇子に竹のモノサシ、カラークリップに拡大鏡、電卓にお菓子を入れるしゃれたガラスの器、「政官要覧」、言葉に関する若干の文庫本、冬用のグレーのベストを手提げ袋に入れて、早々に退散したのでした。バイトに行くと万歩計は見事に1万歩を超えるねぇ。

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