餃子の都、宇都宮に住まなくてはならないため、7年前残念ながら辞めざるをえなかったのが、京王線、明大前の某大でマスコミ志望の1、2年生を対象に年12回やっていた文章教室のセンセだ。6〜7年続けていた。講義は夜7時スタート。始めの15分でその時の政治情勢などを話し、1時間800字の作文のお題を出して屋上にタバコを吸いに行き、できた順にざっと20人の学生の作文を見て、ここはもうちょっと書き方があるんじゃないと朱を入れ、全員のを見終わると、時間のある奴はコーヒーご馳走するぞと駅前のド・トールで歓談した。 どちらかというと文章を見るより、この雑談の方にリキを入れていた感じがする。この教室の教え子から新聞社、テレビ局、出版社に就職する奴も毎年1人はいて、彼らの活躍を漏れ聞くとやっててよかったと思うのだった。このド・トールによくついてきたきたのが、大坂桐蔭高出身のアナウンサー志望のKくん。宇都宮にも餃子を食べにやってきたこともあるが、そのKくん、6年前なんとNHKのアナウンサー試験(男子7人)に受かり、山陰は松江放送局に配属となった。事前に連絡があり松江からの彼の全国中継を2度ほど視聴したことがある。 昨夜、NHKの「ニュースウオッチ9」で、大雨特別警報の出た長崎、佐賀、福岡からの中継をやっていて、佐賀からのを見ると、バリっとしたKくんがニュースを読んでいるではないか。けっこう余裕でしゃべっている。で、「佐賀に異動したんだね。上手なしゃべり方でした。こういう時こそ真価が試される。頑張るべし!」とメールしたら「あれ、先生には佐賀に移ったことをお伝えしてなかったでしたっけ」とすぐ返信が来た。 で、「こういう再会があるから面白いんだよ」と返すと「雨は少し弱くなってます」とまたまた返事がすぐ来た。で「アナになって6年か。仕事が面白くてしょうがないだろ。地元を愛するのはもちろんだが、新聞の1面もきちんと読み、はやりの本にも目を通しておきな」と訓示してしまった。教え子の活躍が何よりうれしい年頃の隠居志願なのである。
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