日曜日はマンション管理組合の元理事長らとの話し合い、26日の総会を欠席する人の議決権行使書の第一次集計、営繕担当の仕事の後任者への引継ぎをパタパタと済ませ、夕方からチャリで国立の音楽茶屋「奏」のライブに4カ月ぶりに出撃した。「奏」のライブは6月から予約制、人数制限(12人)で再開している。あらかじめ予約するシステムにはどうも馴染めないのだが、コロナ下での新しい生活様式に順応していかねばならないから、スマホで数日前に予約していた。 出し物は三味線・唄の柳家小春姐さんとパーカッション、藤ノ木みかさんの初コラボ「春みかん」である。同い年で羊年生まれという二人。何度も聴きCDも持っている小春姐さんは、コロナでライブ活動をずっと控えており、これが数カ月ぶりのステージとか。客席には旧知のアルトサックスの巨匠、宮野さんご夫妻の姿もあり、お互いの生存を寿いだ。 お手伝いの女優、あきらちゃんと廊下の立ち話で「俺、コロナのおかげで校閲バイトが雇い止めになっちゃった」と言ったら、彼女も12年勤めた新宿のバイト先をクビになったと憤慨していた。それも、ラインかなんかで一方的に通告されたのだとか。俺のような古稀近い人間ならともかく、彼女のようなまだ若い人にとってみれば、生活設計が崩れるわけで、コロナの犠牲者がここにもという感じ。 ライブはファーストステージはどこか調子が出ない感じだったが、セカンドステージになると、小春さん、おはこの「両国」などをにぎやかに聴かせましたね。客席には9人。ボケっとしている中、聞こえてくる三味の音というのも久々で良いものだった。藤ノ木さんが「遠い遠い」という歌で使った「カリンバ」という水琴窟のような音のする楽器が耳に残った。 彼女は十以上のジャラジャラとかリンリンとかトントンとかいう音の出るモノを順次繰り出すのだが、弦にも管にも縁がなく口三味線だけの俺でもパーカッションならこなせるのではないかと不埒なことを口にしたら、宮野令夫人に「あら、難しいのよ」とたしなめられてしまった。女性アーティスト二人のライブはともすれば、張り合う気分が表に出がちだが、羊年の二人はこのあたりは控えめで、しっとりしていて心地よかったのである。
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