隠居志願のつぶやき2017

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...... 2020年08月03日 の日記 ......
■ 照ノ富士復活優勝   [ NO. 2020080301-1 ]
 贔屓力士のいない大相撲観戦は面白くない。実は十年ほど前までは白鵬が贔屓だった。小学生新聞の編集長をしていた15年前の元旦紙面で当時20歳で前頭だった白鵬を、将来有望と1面トップで取り上げたことがあり、以来ずっと応援してきたのだが、横綱となり数々の大記録を作ってからは興味が失せた。今場所も途中までは強かったが、2敗を喫して休場。彼も35歳。前人未踏の横綱在位1000回出場の記録は偉大だが、いつ引退してもおかしくない。
 それで、今場所注目していたのが5年前から2年間、大関を張ったこともある照ノ富士(28)だ。両ひざのケガと糖尿病で、幕下よりも三段目よりも下の序二段まで落ちた経験もある力士。両ひざを手術し車いすに乗っていたこともある。4場所休場して19年春に序二段48枚目。黒い締め込みで土俵に上がり、部屋の洗い物までやった。
 そこから這い上がり、計320人いる三段目・幕下を4場所で通過し、十両優勝もして今場所、幕尻の前頭17枚目に戻ってきた。どんな相撲を取るのかと見ていたら、どっしりとした大関相撲で、13日目に新大関、朝乃山(26)を寄り切りで破った相撲はどっちが大関かわからないような内容だった。きのうの千秋楽の一番は、今場所好調の関脇、御嶽海(27)が相手だった。左上手をさっと取ると、一気に寄り切った。
 ここで御嶽海が勝てば、照、御嶽、朝乃山と関脇、正代(28)の勝者による巴戦と呼ばれる優勝決定戦で、この珍しい勝負も見たかったが、照ノ富士の強さが際立った。13勝2敗。関脇だった15年夏場所以来、二度目の優勝である。
 何度も辞めたいと言った照ノ富士に、師匠の伊勢ケ浜親方(審判部長)は「まず、病気とケガを治してからだ」と突っぱねたとか。その伊勢ケ浜親方が涙をぬぐうシーンがテレビに映し出されたが、照ノ富士の目に涙はなかった。優勝を決めた照ノ富士はじっと西の天井付近を見上げていた。その先には初優勝した時の優勝額があった。「あと何場所かで額が外されるのは知っていたので、その前にもう一つ飾りたいと思っていた」。
 前の優勝は「イケイケの時。続けていてよかった。最後に笑える日がやってくると信じてやってきてよかった」。28歳になった照ノ富士の言葉には浮ついたところがなく、心に響いたね。こうなりゃ、大関復帰、横綱への道を応援しようかな。

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