時間がたっぷりある素浪人暮らしで、料理もどきを始めたとつぶやいたら、熱心な読者からおいしいモノを次々にいただいた。 とびきり美人からいただいたのは徳島名産、半田のそうめんである。そうめんといえば三輪そうめんが名高いが、これは三輪から製造技法を習ったという200年の伝統のあるそうめんとかで、普通のそうめんよりちょっと太目。食するのは初めてで、5分ほどゆでて、そうめんつゆに一緒にいただいたスダチを絞ってスルスル。腰があってこれはうまい。 長女は「今まで食べたそうめんのなかで一番おいしい」とのことで、お取り寄せのホームページをプリントしてきた。まぁ、食の細る夏場のそうめんはうまいわなぁ。そうめんだけでは栄養が片寄るので、おかずにミニメンチカツ、玉子焼き、きゅうりの山椒和えを付けたのが、長女には受けたのかもしれない。 餃子の都で世話になったイラストレーターにバースデーカードを送ったら、ハガキが冷凍餃子に化けた。宇都宮時代、彼の地の餃子好きの間では「みんみん」派と「正嗣」派の激しい対立があり、俺は「正嗣」の冷凍餃子を30回は贈答に使ったが、いただいたのは「みんみん」の30個入り。自分で宇都宮の冷凍餃子をいただくのは初めてである。 これまた長女が「みんみん」のホームページから調理法をプリントアウトしてきたので、「きみが焼いてみない?」ふた付きのフライパンに油を敷いてくっつかないように冷凍餃子を並べ、水を餃子の3分の1くらいの高さに入れて、水がなくなるまで蒸し焼きにするのだが、猫舌の長女はアツアツがうまい餃子作りには適さないことがわかった。1回目の15個はうまくいったが、2回目は焼き色がつく前に火を止めてしまったので、焼き餃子というより水餃子に近くなってしまった。 書簡集主人の中井さん宅では毎週木曜日の献立は餃子と麻婆豆腐と決まっていて、餃子は皮から作るらしいが、暑い夏、麻婆はちとつらいかも。一度は作ってみたいと麻婆豆腐の素は手元にあるのだが……。料理の世界は無限に広がりそうだ。 |
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