9月になったというのにこの暑さはなんだ。野暮用で36度のした相模原まで出張ってきた。暑くて暑くてくらくらし、6時間の間にお茶を4回も飲んだということで、8月に読んだ本。 池澤夏樹・春菜著「ぜんぶ本の話」。今や大家となった池澤が娘と本の話をする。後半の池澤の父親、福永武彦への向かい方が面白かった。中根千枝著「タテ社会と現代日本」。今もベストセラーの「タテ社会の人間関係」をものした中根先生の近著。人間関係に比べて、かなり手抜きが目立つ。 北方謙三著「チンギス紀 杳冥」。新刊が出るのが楽しみな「チンギス紀」の8巻目。大水滸伝のようにいつまで続くか不明。ヨシタケシンスケ著「欲がでました」。絵本の世界で数百万部の読者を持つヨシタケさんのエッセー集。不思議な感覚をしているのだ。荻原魚雷著「中年の本棚」。これまた不思議な感性をしている筆者の本。 松田青子著「持続可能な魂の利用」。絶賛する書評が毎日新聞に載っていたが、それほどの内容ではないと思う。諸田玲子著「女だてら」。この小説は面白かった。本年度のベスト3に入る。男装した女性で漢詩の大家がお家騒動に加担し、大坂から江戸へと登る。手に汗握る場面が続々。これはお薦めです。 外山滋比古著「日本語の個性」。40年も前の新書だが、へぇというところが数カ所あった。吉田篤弘著「奇妙な星のおかしな街で」。この本の装丁は素晴らしい。中身はそれほど。山極寿一著「人生で大事なことはみんなゴリラに教わった」。ゴリラの言葉が分かる山極京大総長の本。 池内紀著「すごいトシヨリBOOK」。年寄りになりつつあるので、随分勉強になった。黒井千次さんも言われているように、高齢化は全部初体験なのだ。池内さんはそれをメモしてきたとか。「ベストエッセイ2020」。瀬戸内寂聴がショーケンをかくまった時の話などが出てくる。文章は素材に左右されるなと改めて思い知らされた。 |
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