マンション管理組合の理事に暴走老人が立候補し、異例の個別投票で不信任となった話は何度かつぶやいた。しかし、空席となった後釜理事を決めねばならないという難題が残っていたのである。 当該の号棟には前理事長も居住している。「その号棟のことはその号棟に任せよ」とのスタンスでいたのだが、前理事長は「俺はもうクビになった人間。後任の選出作業は理事会がやるべきだ」と言う。それで前理事長の前の号棟選出理事だった85歳のシャキシャキおばあちゃんと協力。37年前に団地ができた時から住んでいて、まだ理事を経験したことのないO氏に狙いを定めた。O氏は「お前なんかに理事はさせないと25年前に言われた。それが75歳になって、今さらやれない」と固辞。 その経緯を今月の理事会で説明したら、古手の理事さん、次期理事長候補のM氏らが口をそろえて「僕らも一緒に頼みに行きますよ」。で、土曜日雨の中、集団で理事就任をお願いにいった、これが正式面談の3回目。まさに三顧の礼である。「一緒にやってください」と誠実に迫るM氏。「私なんか週3回透析をしながらやってます。持ち回りで理事をするのがルールでしょう」と古参理事。途中からおばあちゃんにも加わってもらい「あんた、やんなさいよ」。それで初めて「考えさせてください」の言を引き出した。 これなら何とかなるかもと思って、木曜日夜、”四顧の礼”に繰り出そうと触れを回していたら、きのうの夜になり「受けますと言ってきたわよ」とおばあちゃんから電話が来た。週明けにO氏は長野旅行に行き、リンゴ狩りでかじったリンゴが化学変化をもたらしたみたい。受諾に際し一点だけ条件を付けられたが、俺が泥をかぶればいいんだから、何とかクリアできるだろう。 まさに就任の頼み事は一度では実現しないという「三顧の礼」の正しさが証明された理事就任問題。昨夜は久々にコーフンして、なかなか寝付けなかったのである。 |
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