NHKの「あさイチ」金曜日の特集、プレミアム・トークがいい。けさもその直前の朝ドラ「エール」で、甲子園で「栄冠は君に輝く」をアカペラで歌った姿が印象的だった久志役、ミュージカル俳優、山崎育三郎が登場し、見事なノドを披露した。この山崎、朝ドラでのモテモテ役(ウインクするシーンが目に浮かぶ)が気に入らず、あまり好感を持っていなかった。 だが、戦時歌謡を歌った過去を引きずり戦後酒浸りとなり、博打にうつつを抜かしていたところを、古関裕而がモデルの小山裕一(窪田正孝)に「どん底まで落ちた者にしかこの歌は歌えない」と説得され「栄冠は君に輝く」を歌う。俺、この曲が大好きなんだよね。落魄した感じを出すため5`減量した山崎の歌にはジンときて、画面に合わせて一緒に歌っていた。 12歳で舞台デビューした山崎。しかし、声変わりでしばらく鳴かず飛ばずだった。ようやく声がまとまってきた21歳で再びミュージカルの世界に登場。デビュー時代に伴奏を務めた素敵なお姉さんも今日、ピアノで出てました。有働由美子・イノッチ時代の「あさイチ」はあまり見る機会がなかったのだが、近江友里恵アナと博多華丸・大吉のゆったりとした味が、ゲストの普通の表情を引き出すのだろう。 先週出た作家、桜木紫乃の回も、彼女がリクエストした「視聴者の忘れられない一言」の内容に重みがあり、桜木が立ったままでパソコンに向かって原稿を書くとか、趣味のサックスの演奏披露があったり、家族愛のうかがえる話がとてもよかった。俺は再読はあまりしない人間なのだが、プレミアム・トークに触発され、7年前直木賞を取った「ホテルローヤル」を本棚から引っ張り出し一気読みしてしまった。近作「家族じまい」もよかったのだ。 その前にせがれと一緒に出た漫画家・文筆家ヤマザキマリの回も面白かった。そうそう、夏にあったイラストレーターで絵本作家、ヨシタケシンスケの回でも、番組後にすぐ絵本を買ったんだっけ。テレビの1時間は全人格が出てしまうから怖いね。 |
|