30年も前、月〜金の夕刊サラリーマンページの兵隊頭をしていた時、メーン記事90行に3本のコラムというコンセプトの一つとして「こだわり」というコラムをスタートさせた。着るものはすべて「ラルフローレン」という奇抜な人や、「南の島」に住みたいと移住計画のある知人に登場してもらった覚えがある。 今、俺が「こだわり」欄に出るとしたら、文具小物へのこだわりということになるだろうな。このつぶやきの下書きをする筆記具は、記者になった48年前からずっと使っている水性ボールペン「ぼーるぺんてるB100」(100円)の緑色の軸、0.6_以外には考えられない。何より滑りがよいのだ。文具店に入るたびに、あれば購入しいま机の中に10本はある。 下書きをするメモ帳は竹橋の会社の記者用メモ帳が入手困難となったので、ズボンの尻ポケットに入る同じ大きさのコクヨのメモパッド無地「メー40」という商品(80円)にたどり着いた。1回分5〜6枚書いてはアップし終わるとひっちゃぶいてどんどん捨てていく。ところがこのメモ帳を扱っていた国立の文具店がこの秋閉店してしまい、手に入れるのに難儀している。前のバイト先のあった新橋の文具店には置いてあったから、残り2冊となったこのメモ帳が亡くなったら、電車賃をかけて出張らねばならないか。 知人の誕生祝などに送る絵葉書は美術展で求める趣味はないので、この十年、鳩居堂のシルクスクリーンの花柄等(80円)に決めている。お手紙には筆ペンを使うので、墨の乗りのよいこの絵葉書が好みなのだ。この絵葉書、季節に従ってバラとか紅葉とか梅とかのデザインがあり、いったい何種類あるのだろう。 おととい、ゴルフコンペのトロフィーにつける優勝者の名前を書くリボンを求めに新宿に三カ月ぶりに出た際、伊勢丹本店に寄り文具売り場で富士山とか梅など新春らしいデザインのを十枚ほど購入した。今月誕生日を迎える美人ライターに「鼓」がデザインされた絵葉書を先ほど投函したところだ。彼女も鳩居堂の絵葉書の愛好家なのだ。 そうそう、伊勢丹に寄ったついでに、昔よく利用した珈琲店をのぞいたら、前の店が閉店し、新しい珈琲屋さんが入っていた。「美鈴珈琲」という。前の店よりおいしい気がした。タバコブースがあるのもうれしかった。新宿で珈琲を飲むなら、これからはここだな。 |
|