関西テイストに加え浪花千栄子がモデルと聞いて、NHKの朝ドラ「おちょやん」はたぶん観ないと以前つぶやいたが、あれ、けっこう面白い。おちょやんの父親役で娘を食い物にするトータス松本(ウルフルズのボーカル)の怪演に惹かれているうち、おちょやん役の杉咲花がけなげでけっこう可愛く見えてきたのである。ほら、いい映画とは好きな女優が出ている映画という、言葉もあるではないか。 朝ドラが終わるとすぐ贔屓の近江アナの「あさイチ」が始まる。このあたりで朝めしに西国駅前まで出なければならないのだが、テーマによってはソファを立てなくなる。きのうは大掃除の極意に見入り、レンジ・ガス台回りをきれいにするアルカリ性溶液の紹介があり、溶液とゴム手袋を買ってきてしまった。けさは来年3月で丸十年を迎える東日本大震災時の「思い出レシピ」を、いわき市で小5の時に被災した女性レポーター(?)が紹介していた。 ライフラインが途絶し、保存用の水もないなか、冷蔵庫の氷を溶かして食べた(ガスコンロはあった)カップ麺のおいしさを投稿した仙台のお母さん、避難先の学校で先生方が理科室のバーナーを使って温めて作ってくれたわかめおにぎり(今は当時を思い出すので食べることはない)とかが紹介され、「食」の記憶の重さが伝わってきた。 当時のことが十年たっても辛く思い出される人もいると、この企画への意見を述べた福島の精神科医のコメントも紹介され、誠実なつくりだと感じた。翻って十年前の3・11の食べ物を思い返すと、あの時はパンダを取材しようと上野に行き、御徒町の商店街で大変な揺れに遭い、1時間ちょっと歩いて竹橋の会社に戻ったのだった。 帰りの中央線が動かないので、会社に泊まるしかないと地下のコンビニに行ったら、棚にはもうポッキーちゃんくらいしか残っておらず、それを手に政策情報誌の編集部に戻ったら、中国語の組閣幹事長のSくんから「行きつけの雀荘を開けさせます」と電話があった。で、広告のエースとの3人で余震が続く中、朝まで三人麻雀に興じたのだった。 雀荘には食べ物があるとのヨミは当たって、ちょこちょこと何かを食べたはずだが、あの日何を食べたかは勝負に夢中でよく覚えていない。だから、福島の原発が大変なことになっているなんて全く知らずに遊びほうけていたんだね。 |
|