この前の日曜日は夜、国立の音楽茶屋「奏」で、ウードの常味氏とフラメンコギターの高木くんのライブだった。高木くんのキレのあるギターは「奏」のライブが始まった80年代後半から聴いている。常味氏の琵琶に似た楽器、ウードの「奏」での初演は90年の33回ライブの時との自己紹介があった。俺はその時も聴いているのだった。 緊急事態宣言下で、演奏は6時10分から。最近のライブでは観客12人と一番多かった。ファーストステージが終わったあとの短い休憩時間に還暦を迎えたと言う常味氏と廊下で雑談。「コロナ禍で仕事がドンドンなくなって辛いですわ。特に役所がらみの仕事が切られちゃって」とのこと。 若いという印象のあった高木くんは現在59歳。ジャズバイオリンの太田くん、タブラの吉見くんとのトリオ「マサラ」のステージは「奏」のライブでは最高の演目の一つと思っているのだが、その太田くんががんの療養中とかで、ステージに立つこともままならないとのこと。ピックは使わず信じられない速さでギターを奏でる高木くんも「肩にパットを入れて弾いているんです」と歳は隠せない。しかし、二人の息の合った演奏はベラボーなテクニックで、澄んだ音はなかなかだった。 「もっとやりたいね」と言いながらも、店に迷惑を掛けてはいけないと、ステージは8時10分で終了。俺は珍しくコーヒーではなく、アルコールの入ったカシスソーダでライブを過ごしたのだが、外に出ると旭通りのラーメン屋などはすべて営業終了している。街は暗い。富士見通りも西友は開いているが、コーヒー屋も全て灯りを消している。 駅構内のnonowaは9時まで開いているはずと思って行くと、おにぎり屋さんには半額の値札のおにぎりが、惣菜屋さんには100円引き、50円引きのワッペンの付いた品がわずかに残っていた。夕メシはこれで済ませるしかないなとみて、タラコと昆布のおにぎりに串カツ、コロッケを求め、西国に戻ってチンして食った。このように飲食店や市民も自粛しているから、コロナの感染者がいっときに比べるとだいぶ減ってきたのである。
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