バイトをクビになって素浪人になり、コロナで外出もままならなくなって、これまでと一番違うのは背広を着なくなったことだ。ウチの洋服ダンスには、冬用の背広4セットと夏用の背広4セットが鎮座ましましている。ネクタイだってまだ10本はぶら下がっている。いつだったか、この背広をどうしたものかとつぶやいた。 かなりくたびれてはきているが、まだまだ十分に着ることができるこの背広。冬用は紺が2セット、黒、青がある。 では日ごろ駅前のド・トールなどに行く時は何を着ているかというと、4本あるコールテンのスラックスとかチノパンを順繰りにはき、セーター、辛子色のジャンバーに襟巻というスタイルである。今のセーターは誕生日に長女からプレゼントされたスリートーンカラーのお気に入りのもの。 辛子色のジャンバーは12月から毎日着用しているので、かなり汚れが目立ってきたので先々週クリーニングに出し、その間はライナー付きコートを羽織って外出していた。素浪人は改まった場に出ることがないので、連日気楽な格好で済んでしまうのだ。 俺はジーパンというのを生まれてこの方、一度も着用したことがない。学生時代、友人からジーパンを履いてハイキングに行ったら、股ズレができて往生したという話を聞いて、俺の柔肌には合わないと思い込んでしまったのだ。ここまで来たら俺は死ぬまでジーパンは履かないね。 ところで背広だが、何も上下をセットで着なくてもいいのだと思い付き、きのう中国語の勉強に外出した際は、ふつうの替えズボンのように見える紺のスラックスを履いて出かけた。この「八索の転換」は大成功で、見事独り勝ちにつながった。これから賭場に出撃する際は背広の下だけ着て行こっと。なんで早くこんなこと思いつかなかったのかな。 |
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