隠居志願のつぶやき2017

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...... 2021年03月11日 の日記 ......
■ 入れ歯の置き場所   [ NO. 2021031101-1 ]
 本日、あの2万2000人以上が犠牲になった東日本大震災から、十年。国立劇場で行われた追悼式をテレビで見たところだ。天皇の左襟のピンパッジはいったい何なのか?スポーツ新聞までもが当時と今の写真を並べて報じている。
 思い返せば1995年の阪神大震災で日本は転換点を迎えた。その2カ月後には地下鉄サリン事件もあったし……。そして、あの大津波と福島第一原発のメルトダウン。いつになったら原子炉の中の燃料デブリは処理できるのだろう。
 そんなことを門外漢の年寄りが書き連ねてもしょうがないので、俺が思う防災記事に欠けていることを本日は少々。それは年寄りの必需品、入れ歯の置き場所についての指摘がどこにもないことだ。入れ歯とは無縁な若い世代が記事を書いているからなぁ。
 入れ歯というのは眠る時は外すのがお約束になっている。その場合、入れ歯をぬるま湯の中に入れ、「ポリデント」のような入れ歯洗浄剤を1錠落とすのが通例。この「ポリデント」の箱には、除菌率99.9%、速効洗浄、漂白促進などいいことずくめが書き連ねてある。で、一晩をめどにひたせとあって、108錠+6錠サービスで700円ほどだ。
 さて、ガラスのコップに入れた入れ歯が一晩どこで過ごすかというと、鏡のある洗面所の台の歯磨きの隣である。別室の寝床からは7、8b離れている。こんなところに大切な入れ歯を置いてよいのだろうか。大地震があって逃げる時に洗面所にたどりつけなかったら、避難所で満足にメシが食えないではないか。
 昨晩読了した半藤一利さんの「日本のいちばん長い日」には、8月15日の玉音放送の直前に開かれた枢密院本会議に集まった平沼騏一郎議長の顔がやけに年をとったように見えたため、迫水久常書記官長が「閣下、ちょっとふけられたようですが?」と尋ねたところ、平沼が「私は入れ歯を外して枕元において寝る習慣だが、今朝襲撃されて避難する時、入れ歯をそのままおいてきてしまった。顔が変わったのは入れ歯をしていないから」と答える下りがあった。
 入れ歯はやはり枕元に置くべきなのだろうか。俺は今のマンションは首都直下地震でも壊れることはないと信じ、枕元に入れ歯は置いていないのであるが、まだ余震が続いている三陸地方のお年寄りはどうされているのだろう。切実な問題だと思うが、どこにもその重要性が記されていないのだ。

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