俺はコロナ禍のもと東京五輪は開催すべきではないと考えている人間だが、その東京五輪水泳メドレーリレーへの代表権を勝ち取った競泳、池江璃花子の4日の女子100bバタフライの優勝には胸を打たれた。コロナ禍で我々を元気づける最高のパフォーマンスだった。 池江は19年2月に白血病を発症。入院は10カ月に及び、体重は15`も落ちた。それが昨年8月にレースに復帰し、泳ぐたびに記録を伸ばし、「ただいま」と戻ってきた日本選手権のレースで持てる力を振り絞った。優勝した池江は拳で水面を叩き、感極まってなかなかプールから上がれなかった。そして、涙ながらに「努力は報われると思った」と話した。うずぐしかった。 これを伝えた4日夜のNHK「サンデースポーツ」で嵐の相葉くんの「アイバズ」の新コーナーで、池江の新潟での練習風景を取り上げていた。ドンピシャのタイミングで一番もうけたのは相葉くんかも。まだ肩の線の細い池江は「夕ご飯のあと新潟のラーメンを食べに行ったりしています。病後の自己ベストを常に目指しています」。なかなか聞かせるインタビューだったね。あの「アイバズ」は。 池江の「努力は報われる」発言で思い出したのは、49年前の新人研修で当時の谷畑良三地方部長が、ひよっこの俺たちに話した「この(新聞記者の)世界では、報われぬ努力もある」との言葉だ。努力は報われるものと思っていた”ひよひよ”の俺は、この言葉に、さすが百戦錬磨でソ連通でならしたおじさんの言うことは違うなぁと感じ入り、「報われぬ努力もある」の言葉が脳みそに刷り込まれた。 その後、仕事で懸命に努力した時もあれば、手を抜いたこともある。僥倖で特ダネをつかんだこともあれば、敗れるべくして敗れたこともある。そして今、年長組になって言えるのは、努力しなけれは報われることはない、という厳然たる事実だ。いくら努力しても認められない、成果が得られないことはある。しかし、全く努力しないで成果が得られるタナボタはこの世にはありえないのだ。 五輪への出場権を得た池江はまだ6週間に一度通院しているという。急ぐことなく東京五輪は足慣らしと考え、次の3年後のパリ五輪で栄冠を勝ち取ってほしいな。 × × × × 今週の拙宅の花は「アンブリッジローズ」というピンクの大輪のバラと白いバラ「シュガーバイン」、それにピンクのヒプリカムです。 |
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