温泉の良さが分かるようになったのは44歳で赴任した秋田支局長のころか。初任地福島でも飯坂温泉とか土湯温泉とか、温泉はたくさんあったが、チャリ族だったこともあり、行った記憶はない。若い頃ってお湯につかる魅力はあまり感じないものなのだろう。 秋田では琵琶湖に次ぐ大きさの湖、八郎潟を干拓したど真ん中に1200b掘って出た温泉、「ポルダー潟の湯」があった。当時県内随一の集客数を誇る施設で大潟村に出掛けるたびに利用した。大潟村は田んぼの大きさが100b×100bと大きくて、スケールの違う農業が行われていた。乳頭温泉郷の鶴の湯、鹿角にある後生掛温泉、由利本荘市の道の駅が温泉になっている施設もよかったなぁ。 8年前に赴任した栃木県もそこらじゅうに温泉があり、那須にあった鹿の湯は最高だった。宇都宮市内ではマンションからチャリで8分の「南大門」という日帰り温泉によく行った。ここのヒノキの湯というのが贔屓で、寒風の中チャリで戻っても全く湯冷めしないのが、温泉の効用だった。 コロナの巣籠り生活が続き、八王子に芝刈りに行くくらい。国分寺駅より東には出ない生活がもうひと月近く続いている。これでは気が滅入ってしまうので、きのうは思い立って府中の縄文温泉に行くことにした。1500b掘ったら温泉が出たという日帰りの湯。府中には西国分寺からバスで30分だ。府中駅から3分のところにあって、90分の「からすの行水」コースが1500両。 12階建てのビルの6階が受け付けで、11階が殿方用、10階がご婦人用の温泉となっている。外気にふれられる43度の露天風呂もある。大きな41度の風呂につかって窓の外を見ると、ちょうど夕日が沈むところだった。遠くには丹沢山系の山々。11階だからこそ見える夕日。でもこれが地べたの温泉ならどれほどよいことかと思った。サウナにも5分ほど入って汗を絞る。11階にいたのは45分くらい。風呂から出たら最近重めの体重が200c減っていた。 12階の脱衣場に戻り、150両也のコーヒー牛乳を飲む。温泉にはこれがなくっちゃね。帰りは府中駅から頻繁に出ている国分寺駅行きのバスに乗った。西国分寺−府中間は30分に1本の運行だが、大都市、府中と国分寺を結ぶ路線は7分に1本はあるみたいなのだった。 |
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