駆け出し福島支局の1年目は洗濯に往生した。洗濯機がなく流し場で手洗い。加えて冬は北国ゆえ干すとバリバリに凍ってしまう。当時は休みが週1日しかないのに、貴重な休みの半日を使って洗濯に追われることもあったなぁ。 その洗濯時間を金で買えることになったのは2年目か。親しかったY紙のIくんが、下着まで洗濯してくれるクリーニング屋さんを見つけてきて「夜中でも取りに行けるよ」。主におしぼりのクリーニングを扱っていた「バンポウ」さん。パンツ1丁30円、靴下も30円だったと記憶している。月々のクリーニング代は7、8000円になったが、「おこたに当たってミカンでも食べていきな」というフレンドリーな店で、ありゃぁ随分助かった。 ケンカ一つしなかった結婚生活11年目にカミさんが別れたいと言い出し、離婚届になかなか判をつかなかった裏には、洗濯は面倒というトラウマもあった。だが、全自動洗濯機は洗い、すすぎを苦もなくこなす。やってみればなんということはない。主婦の好きな家事の一つが洗濯とされているが、すかっと乾く洗濯は気分がよくなること請け合いで、食器洗いなどと比べると楽しい家事といえる。 梅雨入りが近いと思われた先週、宇都宮から戻って丸4年にして、初めてリビングのレースのカーテンを洗濯した。ヘビースモーカーなため、ガラス戸にタバコのヤニがべったり付き、冬場の結露でそれが溶け出し、レースのカーテンがそれに触ってカーテンが黄ばむ。4年もたつとそれがミョウチキリンな模様となる。 マンション管理組合理事長もクビになり、時間の有り余る素浪人となって、やっとこれを洗濯する気になった。カーテンレールから外し、フックみたいなのを取り外してお洗濯。約20分で洗い上がり、今度はフックを付けてレールにひっかけて吊り下げて置けば、レースだからすぐ乾く。 けっこうきれいになるのだが、台の上に乗ってカーテンレールの輪っかの留め口に変な姿勢でフックを引っ掛けようとしていたら、バランスを崩して台から転げ落ちた。一瞬何が起きたか分からなかった。幸い単純な打撲で済み、事なきを得たが、年長組でこわいのは転倒による骨折だ。昔のような身のこなしができなくなっているのが古稀。気を付けないとな。 |
|