俺が長年禄を食んできた竹橋の新聞社の兄弟会社のようなスポーツ紙は「スポニチ」である。15年も前か、仕事で知り合った編集局長のT氏から「あんたは競馬をやるよね。どうしたら売れる競馬欄を作れるだろうか?今、外れた予想の懺悔録をやっているんだが」とご下問を受けたことがある。で「とにかく予想を当てること」と即答した。我かく破れたりなんてもんは博徒は誰も期待していないのである。 そんな関係なのに、俺が週末の生物学のためにコンビニで求めるのは、大読売の兄弟会社の「スポーツ報知」である。ここにいいところを見ている関西の和田伊久磨というベテラン競馬担当者がいるのだ。で、調教結果が載る木曜日と重賞レースの予想がみられる日曜日の「報知」は入手することにしている。ナベツネの読売は社会部で警視庁担当だった時を除き、購入はしないと決めているのだ。 それが、きのう、おとといとコンビニで報知を買うハメになった。なぜかというと、前夜テレビで熱戦を見た水谷隼・伊藤美誠ペアの卓球金メダル(26日)とソフトボールの金メダル(27日)のニュースを読みたかったからだ。もちろん竹橋の新聞は自宅で購読しているのだが、俺の西国分寺のマンションに届く新聞(13版=最終14版の1版前)には午後10時20分ごろの結果が、残念ながら載らないことが分かっているからだ。 最終版の締め切り時間は東京の一般紙の場合午前1時半である。しかし、それより早い版の締め切りは各社の輪転能力、販売店への輸送能力によってマチマチ。竹橋の新聞社は、体力が落ちてきた15年ほど前から、早版の締め切り時間がめちゃくちゃに早まり、東京から電車で40分の国分寺と4年前までいた宇都宮で、全く内容が同じ13版が届くのだ。 この13版は俺が前線にいたころの12版並みの締め切り時間。だから、プロ野球のナイターの最終結果が入らないことが多い。こんな商品は売れるわけがない。一代前の社長A氏は最終版配達地域の小金井市在住だから、そんな粗悪品のことに気が回らなかったのか。俺も警視庁担当になった時は、居を13版帯の国立から実家のあった小金井市に移った経験があるのだ。 速報はインターネットで分かる時代だといっても、自分がライブ観戦した試合を我ら年長組は活字で確かめたいのだ。そんなアホな締め切り時間に設定した経営者は、始めから戦いに負けているようなもんだ。これは言いたくはないが、竹橋の新聞社の未来はまことに暗いと言わざるをえない。 |
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