スポーツをやる人間には「聖地」という大切な場所がある。高校球児にとっての甲子園球場のような。高校ラガーにとっては花園ラグビー場だろう。陸上競技者にとっては東京の国立競技場か。マイナー競技のバドミントンプレーヤーにとっては残念ながら聖地を言われる場所はない。今回五輪競技が行われた調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザはできたばかりで、まだなじみが薄いなぁ。 聖地でプレーするには県予選などしかるべき大会で優秀な成績を挙げていかねばならない。だから、聖地はなかなか手が届かない場所で、普通の人間は聖地でプレーはできない。 きのうまで五輪の男子ゴルフ競技が行われていた埼玉県の霞ヶ関カンツリークラブ。実は2年前ここでラウンドしたことがある。大学同期のクラス幹事による3組のコンペに参加したのだ。オリンピック競技が行われた東コースではないが、松林に囲まれた西コースで、ここで五輪をやるのかと思いつつプレーした。あの時のスコアは前半65、後半45。みんなからお前のゴルフはどうなっているのだと言われたなぁ。 このようにゴルフの場合はヘボでも五輪会場でプレーできるのがいい。畑岡奈紗がアマチュア時代の16年、日本女子オープンで優勝した栃木県の烏山城カントリークラブでも何度かプレーし、奈紗ちゃんはこんな長い距離のところを2オンしたのかとたまげた記憶もある。 そんなこともあってきのうの五輪男子ゴルフ最終日は、昼過ぎから4時間ほどテレビにくぎ付けとなった。日本期待の松山英樹は、首位のシャウフェレ(米)に1打差の13アンダーの2位で最終組のスタート。シャウフェレは今年のマスターズの最終日に同じ組で回り勝った相手だ。 前半は我慢のゴルフ。シャフフェレは少しずつスコアを伸ばしていく。松山はインに入って11番、12番でバーディーを決め16アンダー。1打差にしたというのに、15番で俺でも入りそうな1bのパットを外しボギー。15アンダー。2打差の3位に後退。 最終18番でも3bのバーディーパットが入らず、15アンダーのまま7人で銅メダルを争うプレーオフに。その1ホール目で松山はパーが奪えず早々と脱落した。そしたらNHKは中継を止めスタジオに画面を切り替え、工藤三郎アナが「いまマキロイが決めて銅メダル!」とプレーオフがまだ続くのにトンチキな放送をしたなぁ。 金メダルは18アンダーで逃げ切ったシャウフェレ。銀はこの日10アンダーで回った最年長45歳のサバティーニ(スロバキア)。7月にコロナに罹って満足な練習ができなかった松山。それにしても15番でパーセーブしておけばと、非常に悔やまれる試合だったのだ。
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