隠居志願のつぶやき2017

[PREV] [NEXT]
...... 2021年08月31日 の日記 ......
■ 絵師からの電話   [ NO. 2021083101-1 ]
 夜兎の角右衛門、蓑火の喜之助、血頭の丹兵衛……ときいてピンとくる人は、池波正太郎が描いた世界「鬼平犯科帳」の相当なファンだろう。これらはいずれも小説の中で、鬼平こと長谷川平蔵が捕まえた盗賊の親分の名前。いかにもピッタリという名を池波氏はよく考案したものだ。1999年発刊のムック、毎日アミューズ編「鬼平を歩く」でこれらの盗賊の姿を描き分けた絵師がいる。
 NM嬢で、俺も小学生新聞の挿し絵でお世話になった。亡くなった赤司が毎年元旦に作っていた「ウソ新聞」で、50年後にNM嬢の回顧展が中野で開かれるという記事を絵付きで載せたら、ほんとに会場に読者が来てしまったというエピソードもあったなぁ。
 彼女の江戸情緒たっぷりの絵のタッチが好きで、8年前宇都宮に赴任する時、集団展に出品されていた包丁人の絵を安く譲ってもらったこともある。今、その絵はキッチンの冷蔵庫の脇に飾ってある。
 しかし、そんなに深い付き合いではなく、杉並の赤司邸で開かれていたホームコンサートで時折姿を見かけたくらい。赤司が10年前に亡くなってからは、賀状のやりとりをする程度の間柄。その彼女から日曜、西国駅前の「エ・プロント」で新聞を読んでいたら、ケイタイに電話をもらった。知り合いがコロナにかかり大変な目に遭った。皆さん、大丈夫かと思って、とのことだった。
 で、例によって「俺もコロナにやられて、校閲のバイトをクビになり、社会とのつながりが切れてしまい、辛い日々を送ってます」と言ったら「ええーっ!」。それで「冗談の通じない人にそういう言い方をしちゃダメと周りに言われている。コロナでバイト先が業績不振になり、1年前雇い止めになってしまった。5月まではマンション管理組合の理事長の仕事があったけど、6月からは素浪人。うまく歳を重ねるのは難しいね」と話した。
 すると「まだまだこれからじゃないですか」と返ってきたので「50年近く宮仕えすると、もう何か新しくやろうという気にはなかなかなれない。若い人に任せたい気分」と言うと、宮仕えの経験はなく、芸の道に生きるNM嬢は納得していない口ぶりだった。
 赤司夫人は杉並の邸宅を売り払い、長野は諏訪湖畔に喫茶店を昨年6月に開き、けっこう流行っているとか。で、「まだ、訪れてはいない」という話をしたら、NM嬢は「行きたいなぁ」と言うので、コロナが終息したらぜひ諏訪湖畔に行こうという話がまとまったのでした。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: