隠居志願のつぶやき2017

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...... 2021年09月01日 の日記 ......
■ 「キネマの神様」   [ NO. 2021090101-1 ]
 この4、5年一番読んできた作家の一人が美術モノに才をみせる原田マハだ。ルソーを取り上げた「楽園のカンヴァス」、ピカソの「暗幕のゲルニカ」、ゴッホの「たゆたえども沈まず」……、絵画の世界に無知な俺でもグイグイと引き込まれた。美術館の学芸員の経験もあるマハさんだけにウソっぽくないのだ。
 そのマハさんだが、美術モノでない世界も得意でこの秋映画が封切られる「総理の夫」の着眼はなかなかだし、映画と博打が大好きだった実父をモデルに描いた「キネマの神様」というのも読ませた。この「キネマの神様」を寅さんの山田洋次監督が志村けん主演で映画化するというので、楽しみにしていた。
 しかし、志村が昨春コロナで亡くなってしまい、撮影もストップした。山田監督は志村の友人でもある沢田研二を主演に起用し、脚本も書き替え8月上旬封切られた。絶対見なければと思っていたが、そのチャンスがなかなかなかった。きのう朝、毎日新聞を読んでいたら、山田監督のインタビューが載っており「映画館で映画を見なくなってしまう世の中を怖れる」ってなことを語っていた。
 このままでは上映期間が終わってしまうかもと、立川シネマシティの上映プログラムを調べたら、あす2日まで1日1回の上映で、13時30分からとなっていた。で、立川にすっ飛んで行って市松模様になった席でマスクをして見た。
 あのジュリーが酒浸り、博打好きの主役ゴウを演じるのは、ちとつらかったが、その妻役宮本信子、娘役の寺島しのぶの演技は達者なものだった。何より、若き日映画の助監督だったゴウと結婚することになる撮影所近くの食堂の看板娘役の女優がよかった。誰かなぁ?とすっと考えていて、朝ドラ「半分、青い。」のヒロインだった永野芽郁だということに気付いた。俺、岡持ちを撮影所に届けるようなシーンになぜか惹かれちゃうんだよね。
 助監督時代のゴウを応援する女優(モデルは原節子か)は北川景子が演じた。なかなか美しく、現実の出産前に撮ったシーンと出産後に撮った場面もあるようだ。
 博打ばかりしていたゴウが孫の手を借りて応募した脚本が最高賞を取り、そのお祝いパーティーでジュリーが浮かれて「東村山音頭」を唄うシーンもあって、これは泣かせた。
 89歳の山田監督の89作目の作品とか。ことしはBSで「カサブランカ」とか「ローマの休日」など往年の名画を随分見てきたが、思うにこれが映画館で見る初めての映画なのだった。
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 あすは平日ゴルフのため「明日休診」です。雨予報でどうなるか。

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