8月22日の横浜市長選で菅義偉首相が推した小此木八郎元国家公安委員長が大差で敗れた時、ちと面白いことになったとつぶやいた。それがこんなことになるとはね。菅がトップでは秋の総選挙が戦えないという自民党若手議員の声が党内に満ち満ち、総裁選にはとてつもないエネルギーがいる、国民の安心安全を守るコロナ対策の二つはできないという訳の分からん理由で、菅の総裁選不出馬表明が3日昼行われた。 午後1時から首相が会見するというので、テレビをずっと付けていたが、たった2分の会見で、官邸詰め記者の質問に答えようともせず、奥に消えた。後ろ姿が寂しかったなぁ。その時、菅は「二つはできない。コロナに専任する」とはっきり言ったはずだ。せんにん?こりゃ、文脈からも「専念」というべきだろうと思った。 果たして4日の新聞各紙は「コロナに専念のため不出馬」とした。3日夜のテレビで、テレ朝かがコロナの「専任」というテロップを使っていた。「踏襲(ふしゅう)」「未曾有(みぞうゆう)」の麻生太郎元首相も日本語がよくできなかったが、読み飛ばしの菅くんも最後のところで、国語ができないところを満天下に示してしまったな。 やはり政治家は有権者の前に立てなくては、木から落ちたサルに等しいのである。テレビで菅内閣の1年というのをやっていたが、1年前に比べ顔つきが変わってしまったなぁ。日本学術会議の人選で「総合的、俯瞰的」と言うだけで、6人の候補者を任命拒否したり、コロナ対策の「光は見えている」と言ってみたり。政治家は能弁でなくても国民の胸にすっと入る言葉を発していかなければならないと思う。 その点でいち早く総裁選立候補を表明した岸田文雄前政調会長(64)は、言葉がよく分かると点数を上げているようだが、もっと発信力のある河野太郎(58)とか、石破茂(64)も出てくるみたいだから、今月は自民党総裁選一色になるね。事実上次の宰相が決まるのだから、しょうがないね。 評論家が二階俊博幹事長(82)、安倍晋三前首相(66)、麻生太郎(80)の3人がキングメーカーの座を争っていると解説してみせたが、おじいさんたちはもうすっこんでろというのが、国民の率直な気持ちなのではないか。
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