自民党総裁選に出ない、ということは日本の首相を辞める菅が今月末、米大統領と会談するプランを進めているのだとか。辞める奴に来られてもと思われるんじゃないか?いったい何を考えているんだ、ということで8月に読んだ本。 福岡伸一著「生命海流」。生物学者の福岡ハカセがダーウィンの進化論に大きな影響を与えたガラパゴス諸島に出かけ、島々を巡って生物の進化を考える。写真も豊富で実に楽しめた。千葉望著「大切な人は今もそこにいる」。著者の長身美人ライターの千葉さんとは20年来の知り合い。彼女の家計の足しにと購入した本だが、この本、ことしの読書感想画中央コンクールの課題図書に選ばれたから結構売れると思う。千葉さんは郷里岩手の大津波被害をずっと考え続けてきた人。この本で感想画を描くとしたら、宮沢賢治が出てくるから銀河鉄道と被災者の思いで描くのかなぁ。 山本勉著「完本仏像のひみつ」。奈良京都の仏様は好きな方である。その仏像がどうやって作られたか、知らないことが多かった。よい本だと思う。半藤未莉子著「硝子戸のうちそと」。今年亡くなった半藤一利氏の夫人は文豪夏目漱石の孫なのだ。その未莉子さんがお酒の大好きな半藤氏の最後などを達者な筆で記した。漱石の作品に「硝子戸の中」があったような。 高田郁著「あきない世傳金と銀 風待ち編」。出ればすぐ求める高田さんの「あきない世傳」シリーズの11冊目。大阪の呉服商の女将が江戸に出て評判の商いをするお話。勉強になる。佐藤究著「テスカトリポカ」。直木賞の受賞作で、500ページ余の大冊。8月24日に直木賞選考委員の評価についてつぶやいたが、スケールの大きさといい、アイデアといいすごいのだが、読後感はあまりよくない。 文芸春秋編「向田邦子を読む」。40年前の8月22日、名手向田邦子は台湾で航空機事故で亡くなった。40年もたつのにいまだに向田作品に惹かれる人が多い。ほんとに人の心理を描くのが上手な作家だった。みんなあのテレビ「寺内貫太郎一家」は知っているものだと思って、若い美女に向田の話をしたら、「知らないわ」と返され、そりゃそうだと思わされた。 西條奈加著「世直し小町りんりん」。直木賞作家西條さんの文庫を読むのは10作以上になった。うまいもんだ。名越達郎著「ジョークで読む世界ウラ事情」。こういう本は手に取るのだ。日本文芸家協会編「ベスト・エッセイ2021」。エッセーというのは難しいことがよく分かるね。 |
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